老犬になると、人間と同じように噛む力が弱くなるだけでなく胃腸などの消化器官も弱くなってきます。
今までのようなドライドッグフードを与えても食が細くなったり、食べなくなったりするような場合、犬が病気ではないのなら高齢による問題の可能性もあります。
食事が適切に摂れないと栄養や健康に支障をきたすことにもなりかねません。
そこでドッグフードをふやかすという方法が採られますが、どのようにしたらよいのか解説していきます。
目次
老犬にドッグフードをふやかすメリットとデメリット
水分でふやかすので水分補給もできる
老犬になると消化器官が低下してしまうため、消化を助けるためにもドッグフードをふやかすという方法が採られます。
ふやかすことで食べやすくなるのはもちろんですが、他にも様々なメリットがあります。
まずは、ドッグフードに水分を含ませるために、老犬の水分補給も一緒に行うことができる点です。
腎臓の機能が衰える老犬では、尿により老廃物の排出を促す必要性があるのですが、水分が足りずうまくいかないケースが多くなってくるのです。
水分補給の機会を増やすことで余分な毒素を排出する可能性が高まるのでドッグフードをふやかすというのはメリットと言えるでしょう。
また、ふやかすことでドッグフードの香りが立つようになるので食欲が減退気味になる老犬にとっては食欲増進にも繋がりやすくなるというメリットも存在します。
噛む力が弱くなってしまう可能性がある
ただ、注意しなければならない点もあります。
柔らかいものになれてしまうことで犬の顎の力や噛む力が低下してしまったり、歯垢がつきやすくなるという点です。
歯磨きなどにより虫歯の原因菌を取り除いたり、おもちゃなどを与えることにより噛む力の維持に努めるようにしましょう。
犬のストレスの軽減にも繋がります。
ドッグフードはお湯でふやかす
ドッグフードをふやかすのにポピュラーな方法と言えばお湯です。
ただし、熱湯をそのままかけるのは禁物です。ドッグフードの栄養素であるビタミンやミネラルが破壊されてしまう可能性があるからです。
また、水でふやかすと時間がかかるだけでなく、犬の腹を冷やすことになるので注意が必要です。
一度沸騰させた湯を30度から40度くらいに冷ましたものを使用するようにするとよいでしょう。
こうすれば胃腸を温めることにもなり、冷えの改善も期待できます。
15分から30分くらいを目安に浸すのがよいとされています。
次に湯量ですが、ドッグフードが水分を全て吸収できる程度がよいと言えますが、吸収できない水分が残ってしまった場合でも水分を捨てないようにしましょう。
栄養素の中には水溶性のものもあるため、捨ててしまうと必要な栄養素がきちんと摂取できない可能性があるからです。
ドッグフードは電子レンジでふやかす
電子レンジを使用する方法もあります。
水を注いでラップし、数分を目安に温めていき、適温で止める方法てす。お湯を沸かす手間がない分、時間短縮にも繋がります。
加熱にムラがでることもあるので、時々取り出してかき混ぜながら行うとよいでしょう。
熱しすぎには注意してください。加熱しすぎるとドッグフードの栄養素が破壊されてしまうこともあるためです。
また、犬は、熱い食べ物が苦手なため火傷などの危険も生じます。
温度管理に気をつけて行うようにしましょう。
更に、電子レンジの多用は避ける方がよいとされています。電磁波の影響がその理由です。
時間短縮して、ドッグフードをふやかすには
ふやかすには時間がかかりますが、作りおきはしないようにしましょう。
水分を含んだドッグフードは、劣化が早くなり、傷みやすくなっているため健康を損なう危険性があるためです。
また、再加熱によって栄養素が更に失われる可能性もあるので作りおきはしないほうがよいと言えます。
食べ残したドッグフードの再利用も同じ理由から捨ててしまうことをおすすめします。
時間短縮を行いたい場合、ジップロックなどのビニール袋にドッグフードを入れて棒で叩いたりして細かくするとよいでしょう。
その後お湯を注げば、水分は吸収されやすくなり、時間短縮に繋がるはずです。
あらかじめ砕いておいてドッグフードを保存しておきたいという方もいるかもしれませんが、おすすめできません。
ドッグフードは、細かく砕くと酸化してしまい、栄養価が逃げてしまうためです。愛犬のためにもその都度食事は作るようにしましょう。
ドッグフードをふやかす注意点
ふやかすのにミルクを使用する方もいるかもしれません。
しかし、ドッグフードは、栄養のバランスを考慮して作られたものです。
本来、ドッグフードだけで栄養が足りるようになっているといえます。
そのためミルクを使用すると栄養の摂りすぎになり、肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があるので注意しましょう。
また、ドッグフードのふやかしかたは、均一になるように心掛けましょう。
ドッグフードの外側は柔らかく、中は固いという状態で提供していると消化器官の弱い老犬は、胃腸に負担がかかってしまうことになるためです。
愛犬にはバランスの取れた食事を
子犬の頃からパートナーとして歩んできた愛犬もいつかは老犬となります。
老犬になると噛む力や咀嚼する力が衰えてしまいます。
1日でも長くパートナーに元気でいてもらうためにも食事の面でサポートしてあげることも大事なことになるでしょう。
ドッグフードをふやかすという点に着目しましたが、食事のサポートという点においては他にもまだ方法はあります。
手作りの食事を与えるというのもその一つと言えるでしょう。
少量の食事であっても栄養価の高いバランスの取れた食事であれば健康な生活を送るサポートにもなります。
食欲が向上したというケースもあるようです。
パートナーの健康状態に注意しながらバランスの取れた食事を提供するように心掛けたいものです。