日頃から老犬の排泄物の変化をチェックしよう

老犬の排泄物 老犬の健康

近年は人同様に医療技術の進歩や生活環境が良くなったことから、老犬と呼ばれるような、お年寄りの犬が増加傾向にあります。

犬の老化のサインには、人と同じように足腰が弱くなる事で大好きであった散歩が負担になるようになったり、歯の衰えや消化機能の衰えで、食事をあまりとらなくなるような事も老化のサインや早い段階で病気に気づくポイントのひとつになるといえます。

尿や便から老化のサインや病気にきづく

このように日頃の行動から、愛犬の老化の進行や病気のサインを知る事も可能だとは思いますが、やはり人間同様に尿や便などの排泄物から老化のサインや病気にきづくことも多々ありますので、日頃から注意をして観察をする事が基本になります。

まず、排泄物の見た目ではなく、尿をトイレに行くまでに漏らしてしまうような場合も老化のサインのひとつになりますが、時には重篤な病気のサインにもなりますので注意が必要です。

脱水症状に気をつけて

老犬になると足腰の衰えからトイレに行くまでに間に合わなくなってしまう事が考えられます。

このような状態の時には、トイレの場所を増やす事で犬に対する負担を軽くしてあげる事がもっとも重要な対処方法になります。

一方で絶対に避けてほしい事は強く叱る行為や尿量を減らす目的で摂取水分量を減らす事になります。

これまで優しく接していた飼い主が冷たい態度をとるようになれば、犬は当然傷つきますし、ストレスにもなります。

水分量を減らすと尿量は確かに減りますが、ただでさえ老犬になると脱水症状を起こしやすい状態になっている事を考えれば、水分量を減らす事がどれだけ危険な行為かが理解できると思います。

尿のお漏らしは病気のサイン

仮に日頃の散歩などで極端に足腰の衰えが感じられないのに、尿を漏らしてしまったりする場合には、病気のサインに繋がる事も考えられます。

これも殆ど人間と同じような現象なのですが、年齢を重ねると腎機能が低下をするにつれて尿量が多くなっていきます。

これが一般的に言われている頻尿で、人でも老人になると現れる症状ですから、犬の場合も老犬にはよくみられる症状のひとつになっています。

また、膀胱で尿を貯める機能も低下してきますので当然頻繁に尿意がありますのでおもらしのような症状がみられる事もあります。

老化のサインという事で単純に片付けられないのが病気になりますが、オスの老犬の場合には前立腺肥大などの場合がありますので注意が必要になります。

犬の前立腺肥大の症状として知られているのが、人とは違い尿よりも排便障害の症状が出やすくなりますので、獣医師に診断をしてもらう事が大切になります。

どちらにしても、排尿や排便をする事が困難になってきているのは、病気や老化が原因の事も考えられますので、犬に負担にならないように、足腰の衰えている犬の場合には、支えてあげたりする事で排尿をしやすくなりますし、頻尿気味の老犬に対しては、規則的にトイレに連れて行くなどの行為も対応策のひとつだといえます。

老化と共に膀胱や腎機能の衰えが目立つようになる

また、犬の老化と共に膀胱や腎機能の衰えが目立つようになりますので、注意が必要になります。

膀胱の場合は、膀胱炎や膀胱がんなどの人と同じような病気がありますし、症状も肉眼的血尿などの症状が出ることもありますが、かなり進行をしてから気づくことも多いので日頃から獣医師の元で検査などを行う事も必要になります。

腎機能の病気は気づきにくい

腎機能に関しても、人間と同じように腎臓はかなり強いという特徴を持っているために、かなり進行をした状態にならないとわかりやすい症状にはなりません。

一般的に慢性腎炎も肉眼的血尿などが原因で気が付くこともありますが、初期の段階では肉眼ではわからない微小血尿の事もあり、知らないうちに病気が進行をしてしまい、症状が出た時には慢性腎不全というほぼ回復を望むのは難しい状態にまでなってしまう事も少なくはありません。

慢性腎不全はテージ1から4まである病気ですが、ステージ1や2の段階では殆ど肉眼的な症状はなく、肉眼的血尿や血便などの症状がある場合はステージ3か末期と呼ばれているステージ4になります。

ステージ3までの場合には点滴による治療を行いますが、発見がステージの進行に従って予後はあまり良くないと言われていますし、ステージ4の場合には余命も長くない事から、苦しむ愛犬の姿を見たくないという理由で安楽死という対応をする事も少なくはありません。

どちらにしても、犬の排泄物に関しての観察を日頃からしておくことで、老化のサインや重篤な病気に早く気が付くことができる事も考えられます。

老犬になると様々な面で老化や病気が進行していくことも予想されることから、かかりつけの獣医師の定期的な検査を行う事が長く愛犬と過ごせるポイントになるといえます。