13歳から15歳前後になると、犬も徐々に体の機能が衰えてきます。
被毛や目などに老化の兆候があらわれてくるのはもちろん、犬によっては体を動かすことが難しくなり、寝たきりの状態になってしまうこともあります。
このような寝たきりの状態になった時には、飼い主の手厚い介護が必要です。
体が大きく体重が重い大型犬の場合、スムーズに介護をするためにも色々な工夫が求められてきます。
目次
床ずれを予防するマットを利用する。
老犬が寝たきりの時、問題になりやすいのが床ずれです。
血行不良によって起こる床ずれは、血流を低下させないのが予防のポイントになってきます。
通常の犬用のマットや絨毯の上では、どうしても犬の体圧が同じところにかかってしまいがちです。
こういった時に活用出来るのが、介護用として販売されている床ずれを予防するマットです。
この手のマットは、体圧が一か所にかからないような工夫が取り入れられています。
商品によって効果のほどには差がありますが、床ずれを防ぐ可能性が高いことは確かです。
また、ペット専門の通販ショップで販売されている老犬用のベッドも試す価値があります。
例えば愛犬を介護している方からも注目されているのが、頭部を高く持ち上げて体圧を分散させるタイプの犬用ベッドです。
このようなベッドは、飼い主が介添えをして犬の体の向きを変える時にも便利です。
全身を一から持ち上げる必要がなく、犬にとっても負担が少なくなります。
床ずれは、一度症状が現れてしまうと悪循環に陥りがち
床ずれは、一度症状が現れてしまうと悪循環に陥りがちです。
患部を清潔に保つためには、排泄物などがつかないように工夫することも必要になってきます。
同じ部分に圧力がかからないようにするのが床ずれを予防する一番の方法ですが、体重の重い大型犬などは家族の労力も大きくなってしまうことが問題です。
このようなケースでも市販の介護グッズを活用すれば、愛犬の介護が大分楽になるでしょう。
ペット専門の通販ショップは、獣医師が考案したケア用品なども多く取り扱われています。
老犬と暮らす飼い主が増えていることもあり、商品のバリエーションは増えていますので、介護で悩んでいる時には愛犬の状態に合う商品を探してみるのがおすすめです。
寝たきりの老犬は、食欲不振になりやすい。
また、寝たきりの犬はどうしても胃腸の働きが低下してしまいます。
その結果、食欲不振の症状が現れやすくなってしまうのが常です。
こういった時、実際に介護をしている方達は色々な工夫を凝らしています。
例えば、口にしやすい流動食を与えるといった方法です。
好物をペースト状に加工し、半液体の状態にしてから口の中に流し入れれば食欲のない犬でもスムーズに栄養がとれるようになります。
バラエティショップなどで販売されているチューブ式の容器や調味料の容器などは、とろみのある液体を少量ずつ口の中に入れたい時に特に重宝するアイテムです。
手元で量の調節が出来るため、愛犬の嚥下にも負担をかけずに済みます。
食が細くなると便秘にもなりやすくなりますので、整腸作用のあるヨーグルトなどをプラスしてみるのも良いアイデアです。
排泄は、床ずれや食事同様に介護中の心配事項
排泄は、床ずれや食事同様に介護中には1つの問題となってきます。
自力で立ち上がれない犬は、排便のリズムも狂うことが考えられます。
尿などの液体を速やかに吸収してくれるトイレシーツは、老犬の介護でも大いに役立つアイテムです。
愛犬のいるスペースにトイレシーツを敷き詰めておけば、汚れが毛や皮膚につくのも防ぐことが出来るでしょう。
寝たきりの犬の介護には犬用のオムツを使う方が多いですが、中には人間の赤ちゃん用の商品で代用している方も居ます。
愛犬の体の大きさや構造などによって、使い勝手の良い商品は変わります。
色々な商品を試してみて、介護に役立つオムツを絞り込んでいきましょう。
オムツは体の動きに左右されにくく、排泄物をすぐに捨てられるというメリットがあります。
飼い主にとってもオムツがあれば、少し安心をして愛犬を見守れます。
犬の介護では、人間用の商品や意外な雑貨が役立つことがあるのです。
毛の手入れをして、皮膚トラブルを防ぐ
床ずれが起こりやすい脚や骨の部分、排泄物で汚れるお尻の周りは、出来るだけ毛を短く整えておくと皮膚トラブルが防げます。
毛の長い犬の場合は不衛生な状態にならないように、少し範囲を広げて毛をカットしてあげましょう。
毛のお手入れをしておくだけで、皮膚のムレなどは大分和らぎます。
ノミヤダニといった寄生虫の害を防ぐことにも繋がり、愛犬の健康を守る上でも重要な意味があるのが被毛のお手入れです。
湿度の上がりやすい季節は、耳の周りやつま先なども合わせてカットしてあげると、通気性が良くなり不快なトラブルが減ります。
寝たきりの愛犬を介護する時に一番心配なのが、体が思うように動かせないことで生じる二次的、三次的な症状です。
寝たきりの状態になると、犬の体力そのものも少なからず低下しています。
ですので、状態を悪化させてしまうような不安の種は早く取り除いておくのが賢明です。
獣医師との連携態勢を築いておくことが、長生きをさせるコツ
獣医師との連携態勢を築いておくことは、正しい方法で愛犬の介護を進めるためにも大変重要です。
突然の病状の変化にもすぐに対応出来るように、気軽に相談出来る動物病院を探しておきましょう。
24時間の対応で診療を行う動物病院なら、大きな安心が得られます。
都市部には夜間も診療に応じる動物病院が増えていますので、介護中は何かと頼りになります。
呼吸や食欲の状態などをチェックして、異常がある時には早めに獣医師に相談をするのが愛犬を長生きをさせるためのコツです。
自宅で食事をさせることが難しい時には、動物病院で点滴を受けることも考えた方が良いでしょう。
必要な栄養や水分を速やかに補えるのが、点滴の良さです。
愛犬が不調を抱えていると飼い主の不安も大きくなりますので、トラブルが起こった時には専門家に相談をして早めに問題を解決しておきたい所です。
獣医師のサポートを上手に利用して、出来る限り愛犬が長生きが出来るようにアプローチをしていきましょう。