年を取った愛犬が痩せてきた、ご飯を食べなくなってしまったというのは、愛犬の年齢を感じて寂しいと同時に、飼い主としては取るべき行動に悩むタイミングでもあります。
年を取ると食欲が低下するのは、犬も人間も同じです。
食べ物を消化吸収する力も低下していくので、食事にはこれまで以上に気を使ってあげることが大切になります。
いざそうなったときに慌てないためにも、愛犬の年齢に合わせて飼い主側が知識を蓄えておきましょう。
目次
老犬に必要な栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル。
まずは栄養について再確認することが重要です。
老犬であっても必要な栄養素は同じ。タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルです。
中でもタンパク質と炭水化物、脂質は三大栄養素と呼ばれ、欠かすことのできない重要な栄養素となっています。
食が細くなってしまった中で、いかにこれらの必要栄養素を摂取させてあげるか、というのが飼い主の大きな課題になります。
これまで通りの食事では、食べる量が減るだけに必要な栄養素が不足してしまう可能性があるのです。
より効率的に栄養を摂取させるには、シニア用のドッグフードに切り替えたり、これまでのドッグフードに老犬用の粉末状サプリメントを混ぜたりするなどすると良いでしょう。
いきなり切り替えたりすると、余計に食べなくなってしまう可能性があるので、少しずつ切り替えていくことが望ましいです。
また、おやつとしてゼリー状の栄養補助食品を活用するというのも1つの方法です。
年を取ると基礎代謝が下がり、肥満になりやすい。
カロリーについて考えることも必要です。
犬も人間と同じ、年を取ると基礎代謝が下がります。
それだけにこれまで通りのカロリーを与えていると、肥満になってしまう可能性があるのです。
肥満はいろいろな病気を引き起こす万病の元。
また体が重くなると足の関節に負担がかかってしまうので、運動量が落ち、更に肥満になりやすくなるという悪循環を生んでしまいます。
低カロリーの食事を与えるよう心がけてください。
老犬は成犬よりも多くのタンパク質が必要
脂肪やタンパク質について押さえておくことも重要です。
消化機能が落ちている状態では、犬は脂肪が消化しにくくなっています。
そのため、低脂肪の消化しやすいフードを用意することが大切です。
また主食であるタンパク質の質にも注目してみましょう。
現在の研究では、シニア犬は成犬よりも多くのタンパク質を必要としていることが分かってきました。
筋肉量を保つことが難しくなり、低タンパクの食事では足腰が弱くなってしまうからです。
シニア期に突入した愛犬には、動物性タンパク質を多く取れるよう工夫するようにしましょう。
老犬は、脱水症状になりやすい。
水についても、シニア期に入ったのを期に一度見直してみることをおすすめします。
老犬になると「喉が渇いた」という自己判断が鈍くなるケースがあり、脱水症状を引き起こすことが多くなります。
人間と同じく、犬にとっても水は体の多くを占める大切な成分。
いつでも新鮮な水が飲めるように環境を整えてあげるようにしましょう。
餌や水の与え方についても工夫してみてください。
まずはお皿を置く位置です。
シニア犬にとって、餌を食べたり水を飲んだりするために頭を下げる動作は、結構な負担になります。
また、飲み込む力も弱くなっているので、うまく飲み込めずこぼしてしまうことも多くなります。
そこでお皿を地面に置かず、高さを調節した台の上に置いてあげるようにしてください。
こうすると頭を下げる必要がなくなるので、食事の度に体に負担をかける必要がなくなります。
また頭が上がることで、口から胃袋へ、よりスムーズに食べ物を送ることができるようになるのです。
ドッグフードをお湯でふやかしてあげよう。
更に年を取って老化が進むと、消化がどんどん悪くなってしまうことがあります。
そんなときはドッグフードをお湯でふやかすなどして、柔らかい食事を出してあげるようにしましょう。
こうすることで消化の助けになる上、ふやかした食事は水分を多く摂取できるので、脱水の予防にもなるのです。
特に水を飲まなくなった愛犬に対しては、食事で水分が取れるように工夫してあげると良いでしょう。
愛犬が年を取ることは寂しいことです。
より健康に少しでも長生きして同じ時間を過ごすためには、年齢に合った食事を与えてあげる必要があります。
愛犬の食欲不振を助けるため、食事の内容はもちろんのこと、与え方にも工夫することが大切です。