ペットの老いの兆候に気をつけて健康寿命をのばす

老犬の兆候 老犬の健康

犬は家族の一員といってもよいほど身近な存在です。

子犬から飼い始めたペットも、人間と同じようにいつかは老いていきます。

犬は6歳頃が人間でいう40代相当で、体力の衰えやいろいろな病気が出てくる時期でもあります。

病気や体の変化に早く気づいて対処すれば、ペットが健康に生活できる時間を長くできる可能性も高くなります。

6歳〜7歳ぐらいになったら、定期的に行きつけの動物病院の健診を受けさせるのもペットの健康を守るために良い方法です。

白髪、フケが目立つようになる

わかりやすいペットの老化は白髪が出てくることです。

皮ふの弾力が少なくなり、フケも以前より目立つようになります。耳垢も増えます。

毛のつやも以前と比べて少なくなります。

老いてからというよりも、子犬の頃からまめにブラッシングをして皮ふに適切な刺激を与え、手入れを続けることで皮ふや毛は健康を保てます。

シャンプーもペットの皮ふを刺激しすぎないものを使うようにします。

寝ている時間が増える

子犬の頃は元気がありあまって走り回っていたペットも、老いると体力も無くなり、寝る時間が増えていきます。以前よりも大きなイビキをかきながら寝るようになる老犬もいます。

また、以前なら好奇心いっぱいだった性格も変わり、あまり物事に対して関心を持たず、反応も鈍くなります。

固いドックフードが食べづらくなる

食欲も以前より少なくなり、前は食べられた固い餌が歯が弱って食べられなくなることもあります。

以前好きだった餌も好みが変わって食べなくなるかもしれません。

食べてすぐに吐いてしまうようなら胃の病気を疑います。

最近はペットの年齢に合わせた餌も充実しているので、ペットの体に合った消化のよいもの、栄養素が含まれているものを与えることも考えてあげましょう。

中には、食事をあげたのに足りずに要求してガツガツ食べるようになる犬もいます。

時間の区別がつかなくなって夜中に吠えるなどしたら、痴呆症かもしれません。早めに獣医さんに相談しましょう。

痴呆の症状がみられるようになったら、適度な刺激を与えるなどして、症状の悪化を防ぎます。

目と耳が衰える

体力が少なくなったために動きが緩慢になるのはどの犬にもみられることですが、視力や聴力の低下で見えない、聴こえない状態になっていることも考えられます。

今まで問題なく歩けていた場所でつまずいてしまう、モノがあるのに気づかずにぶつかる、急に近づくと驚くなどの様子が見られたら、白内障で目が見えにくくなっているのかも知れません。

目に白っぽい濁りが出ている可能性もあります。早めに病院で診てもらいましょう。目やにがあるかどうかも普段から気をつけてあげます。

また、大きな音をたてても振り向かない、他の犬にも反応しない場合も耳に何か異常がある兆候かもしれません。

トイレの回数が増える

病気ではなく、犬も年をとると膀胱の周りの筋肉が弱くなり、おしっこの量が少なく回数が多くなってくることもあります。

食べる量も少なくなり、やはり筋肉の低下もあってうんちの量も減り、便秘や下痢が多くなる場合もあります。

年齢のための変化なら、イライラして叱ったりせずに散歩時などはペットのペースに合わせてあげましょう。

歯周病、がん、糖尿病にかかりやすくなる

また、老犬になれば、人間でいうがんや糖尿病などの生活習慣病にかかるリスクも多くなります。

歯周病になるケースも増えます。 まず、口臭やよだれの臭いが以前よりひどくなっている時は歯周病の疑いがあります。

酷い場合には雑菌が体の中に入って別の病気になってしまうケースもあります。子犬の頃から歯磨きなど、歯や歯茎のケアをしてあげることで病気の予防につながります。

子犬の頃は食欲旺盛で、可愛らしいのでついお菓子など甘いものもあげたりしがちですが、それが肥満につながり、成犬になってから糖尿病などにつながる可能性が高くなります。

また、体重が重くなると動くのが億劫になり、ますます太って動けなくなるという悪循環に陥るケースもあります。

食事の内容や量に気をつけ、定期的な散歩や運動を子犬の頃から習慣づけておきます。

留守番を嫌がる

犬も老化による体の変化で以前よりも不安になり、飼い主が家にいないと必要以上に不安がってそばにいようとする様子を見せる時もあります。

気持ちが落ち着くよう、そばにいてあげるのもよいでしょう。聴覚や視力が衰えても犬の嗅覚はいつまでも続くと言われるので、飼い主の匂いを嗅ぐだけでも安心感を与えられます。

ただ、わがままになった犬の要求を聞き過ぎると人間に対して噛んだりするようになる可能性もあるので、甘やかさずに普段通りに接するのが一番です。

筋肉と骨が衰える

犬も老いると骨が弱くなります。

子犬の頃から散歩など適度な運動をさせることや、ゆっくり歩くようになっても無理しない程度の運動を続けて筋肉の衰えを防ぐことが大切です。

若い頃のように階段から飛び降りるなどして骨折することもあるので、危ない場所は避けます。

散歩や運動を嫌がる時は、犬が大切にしている宝物や好きなおやつを探させるゲームをしてみるなどの変化をつけてみます。

ご近所で犬を飼っている、またはいつもとは違う散歩時間に変えると出会う犬も変わり、新しい友達が出来て犬にとっても新鮮な刺激になるかもしれません。

老犬の寿命を延ばしてあげるのは、飼い主さんの意識次第

生活習慣や餌の変化により、ペット(犬)の寿命も長くなってきました。

それに伴い、病気や痴呆症、介護の心配も増えてきています。

人間が若い頃から食べ物や生活習慣に気をつけて病気を防ぐように、犬も子犬の頃からしつけと共に毛のブラッシングや歯磨きをし、適量の食事や定期的な運動に気をつけることでより健康寿命を延ばすことができます。

歩きにくくなってしまった犬のために、散歩を介助する道具も開発され、以前よりも充実してきています。

足が弱ってしまった場合など、このような道具を使って散歩させて体の他の部分の筋肉まで弱らないようにさせてやるのも1つの方法です。

自宅の床が滑りやすい、あるいは硬すぎるとペットの足にも人間の足にも負担がかかります。

子犬の頃はとにかくにぎやかで遊んで欲しくて仕方がなかったペットも、年齢と共に落ち着きをみせるようになり、老いてくると休息を好むようになります。

そんな様子をみて飼い主も穏やかな気持ちになれることでしょう。

老いてもなるべく長く自力で食べ、動いて生活していけるように見守ってあげましょう。