老犬の治療にセカンドオピニオンという選択肢

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飼っていた犬が年老いていくと、不調や病気で病院に行く機会も増えると思います。

その病院の治療に不安がなければ問題ありませんが、診断結果に納得できなかったり治療の方法に疑問を持ったりした時に、セカンドオピニオンという選択肢を持っておきましょう。

セカンドオピニオンの重要性

セカンドオピニオン、つまり病状や治療方針について主治医以外の医師の意見を聞くことは、かかりつけのクリニックに対する裏切りなどではなく、納得のいく治療をするための選択肢の一つです。

対人間の医療の現場で、より患者目線の治療が求められる中で生まれた概念です。

長い時間をともに過ごした老犬は、家族のような存在です。最適な選択をするためにも、セカンドオピニオンの重要性を知っておきましょう。

セカンドオピニオンに行く前の心構え

まず大切なのは、かかりつけのクリニックで主治医の説明を聞き、病状や必要な治療方法を正しく理解することです。

大切な愛犬の体のことです。受け身にならず、分からないことがあれば自分が納得できるまで聞きましょう。

セカンドオピニオンに行く理由は人それぞれです。

主治医の説明に不信感を覚えたという人もいれば、問題ないと診察されたのに愛犬の不調が続いたので他の医師の見解を知りたくなったという人もいるでしょう。

いずれにしてもセカンドオピニオンを求めて別の医院に行く前に必要なことがあります。

それは、セカンドドクターに、現状をしっかりと説明するための準備をすることです。

主治医に聞いた話をまとめる、毎日犬の様子を観察し記録する、など早い段階からノートをつけると良いでしょう。

もしすでに治療が行われているなら薬の種類など必要なデータを主治医からもらいましょう。

セカンドオピニンオンの探し方

次にセカンドオピニオンを求める病院を探します。

主治医からセカンドオピニオンを求めるように言われた場合は、犬の病状に合った治療が受けられる病院を紹介してもらいましょう。

ただし、このようなケースは決して多くはありません。

ほとんどの場合、飼い主が自力で病院を探す必要があります。

一つの方法として、友人や知人に評判の良い病院を聞くというやり方があります。

問題点は、運次第であるということでしょうか。普段から年齢の近い犬を飼っている友人たちと情報交換をしておくと、いざという時の備えになります。

また、病院によっては、セカンドオピニオンを積極的に受け入れているところもあります。そういう病院をインターネットなどを使って調べてみても良いかもしれません。

セカンドオピニンの見解が正しいとは限らない

セカンドオピニオンは病気をたちどころに治してくれる魔法ではありません。

主治医とは別の医師の一つの意見を聞くという方法に過ぎないのです。

だからこそ飼い主が、質問したいことを十分に整理し、必要な情報をセカンドドクターに提供する必要があります。

相手が主治医でも同じですが、ただ受動的に診断を聞くだけでなく主体的に治療に関わる姿勢が必要です。

そして、それぞれの医師の見解を検討して、自分の判断でどうするかを決める必要があります。

たとえば最初にかかった医師と異なる見解、治療方針だった場合は、それぞれの妥当性やメリット・デメリットを吟味することになります。

もし同じ意見だった場合は、その診断、治療のどういうところに不安があるのかを考えた上で、最終的な判断をします。

犬は喋れないから、飼い主が症状を的確に説明する必要がある

ペットは自分で自分の病状を医師に説明することはできません。

どんなに通じ合っていると思っても、彼らは人間の言葉を話せないのですから。

だから、飼い主が代わりにその病状を的確に説明する必要があります。

そして、医師もまた飼い主ほどにはペットの普段の様子や細かい変化、症状の出方を知りません。

動物の病状や治療法について専門的な知識を持っていても、四六時中経過をみているわけではないのですから。

セカンドオピニオンは、愛犬の治療における有益な選択肢の一つです。

しかし、その選択肢を選ぶにしても、飼い主自身の判断や知識、観察力が重要です。

愛犬が弱ったり病気にかかったりするのはつらいことです。

誰だってそんなことを考えたくはありません。

しかし、年老いた犬と生きるということは、そういうことに関わる苦しみを引き受けることを意味します。

犬にとって避けられない不調や病気を、自分の問題として受け止めて行動することが飼い主に求められています。