老犬の夜鳴きを防ぐには?悩み解決方法

老犬の夜泣き 老犬の介護

老犬になるとそれまでに見られなかった症状が出てきたり、これまでにもあった行為の頻度が高くなるなど様々な状態が見られるようになります。

その中のひとつが夜鳴きで、名前の通り夜中に低い唸り声を挙げる症状を指しています。

老犬の夜鳴きは飼い主の頭を悩ませる症状のひとつ

一般的に夜鳴きは子犬や成犬にも見られるため犬そのものにとって珍しいものではないのですが、一般的な夜鳴きは遠吠えのような鳴き声になります。

ところが老犬になると上記でも述べたように低い唸り声のようなものを続けるようになり、夜中にずっと鳴き続けてしまうケースもあるのです。

このような老犬の夜鳴きは飼い主の頭を悩ませる症状のひとつとされていて、老犬そのものの負担にもなっています。

このような老犬の夜鳴きを対処せずに放置してしまうと飼い主と老犬のお互いに寝不足になって負担がかかってしまうだけではなく、近所迷惑で苦情が寄せられる可能性もあるのです。

そうなってくると老犬を中心とした全ての人たちが穏やかかに生活できなくなってしまうので、飼い主は夜鳴きの原因と対策を把握して、それぞれの原因に合った対処法を実践する必要があります。

夜鳴きが起きている原因

まず考えなければいけないのが、夜鳴きが起きている原因です。

そもそも老犬の夜鳴きはどうして起きるのかですが、その原因は主に神経や脳などの精神疾患から来るものだと考えられています。

その中でも代表的な疾患として知られているのが認知症で、認知症になってしまった結果脳の回路がスムーズに働かなくなったり神経の伝達システムがうまく作動しなくなるのです。

そのため老犬自身も夜鳴きを自分で止められなくなっている可能性があり、どんどん体力を消耗してしまうので老犬自身にも負担がかかりやすくなります。

薬による治療が最も有効

このような原因に対しての夜鳴きの対策としては薬による治療が最も有効だとされていて、抗うつ剤や向精神薬、抗てんかん剤のほかにも睡眠剤が処方されるケースが多いです。

これらの薬を服用するとある程度夜鳴きが改善すると言われていますし、老犬自身も体力の消耗を抑えられるようになるので飼い主にも老犬にもメリットのある対策となっています。

注意しておかなければいけないのが、認知症による夜鳴きの場合はしつけで対処できないところです。

一般的に犬が認知症を起こす事実は最近になって知られてきた事実なので、普通の人が自分が飼っている老犬が認知症になったかどうかを判断するのは難しいと言われています。

そのため老犬の飼い主は夜鳴きなどの症状が見られた場合には、まず認知症を疑って動物病院を受診するのがおすすめです。

そこでしっかりと原因を診断してもらい、必要であれば薬で対処しながら様子を見ていきます。

またもうひとつ注意しておく必要があるポイントとして、薬による治療はあくまでも認知症が原因で起きている夜鳴きに対してのみ有効であるところです。

認知症以外の原因で起きている夜鳴きに対しては薬を使用しても効果はありませんし、効果のない薬を使い続けていると余計老犬に負担を与えてしまう可能性があります。

そのため夜鳴きの原因が認知症ではなかった場合は、薬以外の別の方法で対処する必要が出てくるのです。

認知症以外に、老犬が夜鳴きをする原因

では認知症以外にも老犬が夜鳴きをする原因はあるのかというと、関節や体の痛みを訴えている可能性があります。

ほかにもおしっこが漏れてしまった、寒い、暑いなど寝床としているところの居心地の悪さを訴えている場合もありますし、加齢に伴って五感が衰えてしまうので見えない状態や聞こえない状態に対して不安を訴えている場合も考えられるのです。

このように身体的な原因や不安などの精神的な原因によって起きている夜鳴きの対処法としては、まず体の痛みを訴えている場合は優しくさすってやると人の手の温もりで安心するためか、症状が落ち着く場合があるようです。

ただしこれはあくまでも一時的な対処法でしかないので、歩き方がいつもと違ったり動作が鈍くなってきたなどの症状を伴っている場合には獣医に相談して適切な治療を始めるのが大切な対策になります。

市販されている犬用のコンドロイチンサプリメントなどもありますが、獣医に相談して利用して良いかどうかを事前に確認しておくのがおすすめです。

そして五感が衰えてしまった不安で夜鳴きをしている場合の対処法は、一緒に寄り添って寝てみたり優しく擦ってやるなど精神的な安心感を与えると落ち着く場合があります。

この方法は飼い主の負担が大きくなりやすいのでイライラしやすくなってしまい、それが老犬に伝わってしまうと余計ストレスで夜鳴きが悪化してしまうリスクも考えられます。

そのためこちらの対策はあくまでも出来る範囲にとどめるようにして、それでもなかなか改善しない場合にはこちらも獣医に相談するのが大切です。

ちなみにおしっこが漏れてしまったり寒暖の影響で夜鳴きをしている老犬であれば、環境を整えたり改善すればそれだけで十分な対策になります。

ですがこのような寝床や居所の悪さのみが原因で夜鳴きをする老犬は少ないので、ほかの原因と対策も合わせて検討する必要があると言われています。

昼夜逆転による夜鳴き

ほかにも老犬の夜鳴きの原因として考えられるものとしては、昼夜逆転してしまっているものや単純に寂しい気持ちを表現している者などもあります。

特に老犬になってくると意外と多いのが昼夜逆転による夜鳴きで、日中長時間の昼寝をして活動量が少ないと夜間に覚醒してしまって夜鳴きをしてしまう場合もあるようです。

このような昼夜逆転による夜鳴きに対しては、とにかく日中は声を掛けたり程ほどに疲れる程度の散歩をするなど身体的な疲労を与えるようにするのが対策のポイントとなっています。

要するに日中の活動時間を増やして昼寝や睡眠時間を減らすようにすれば、夜間に安定した睡眠サイクルが構築できるようになるので夜鳴きも少なくなると考えられているのです。

 

このように老犬の夜鳴きの原因と対策の中には人間と似通っているものもいくつかあるのですが、自分の飼っている老犬の夜鳴きにどのような原因が当てはまっているのか、その対処法は何かをしっかり把握しておくのが最も重要な対策だと言えます。