病気を知って心臓負担を軽くする!老犬を長生きさせるコツ

老犬の心臓負担 老犬の病気

命には必ず寿命があります。

どんなに離れたくないと願っても、いつかは別れが来る時を覚悟して飼い主は動物を飼わなければなりません。

同時に、人間と動物では時間の流れ方も違うというのを認識しておく必要があります。

犬の平均寿命は10年〜13年と言われていて、歳を取れば人間と同じように体も衰えていきます。

飼い主の方が元気だからといって、老犬に無理をさせてしまうと体にかかる負担が大きくなり、寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

長年苦楽を共にしてきたかけがえのないパートナーである愛犬とともに、別れの瞬間まで楽しく美しい思い出を残せるように、正しい知識を身につけておく必要があります。

老犬になったら心臓への負担を心配する必要がある

老犬と過ごす際に最も気をつけたいのが心臓への負担です。

人間にも様々な心臓病がありますが、犬は自分の体に異変を感じていても、それを言葉で伝えることができません。

飼い主が気づかずに散歩に連れて行こうとすると、忠誠心から無理をしてついてくる場合もあります。

このようなことにならないよう、犬の心臓病について理解しておきましょう。

老犬の心臓病は、先天性が原因の可能性が高い

犬の心臓も人間と同じように血液循環のためのポンプの役割を果たしています。

人間の場合、普段の生活の中で暴飲暴食をしたり、お酒を飲み過ぎたりと自ら心臓にダメージを与えるようなことをしているケースが珍しくありません。

しかし、犬は基本的にお酒などは飲みませんし、きちんとした犬の餌を与えていれば、人間が食べるファーストフードのような体にあまり良くないとされるものは、体内に入れていません。

よって年老いて引き起こす心臓病は、生まれつきの異常や、遺伝子が原因の先天性の可能性が高いと言われています。

若い頃はこれらの症状を体力で抑えることができていましたが、体の衰えとともに徐々に異変が現れ出すので、飼い主は注意深く観察しておく必要があります。

夏場は、老犬にとって心臓に負担がかかるので注意が必要

犬は人間に比べて、体温調整があまり上手ではありません。

汗腺を持たない犬は舌を出すことで体温を調節していますが、人間が汗をかくにことによって自らの体を冷やすのに比べると、温度変化はわずかなものになります。

よって特に夏場は犬にとって心臓に負担がかかりやすく、注意が必要です。

老犬の咳は、なるべく早めに獣医師に相談する

また、夏場は蚊を筆頭に虫刺されによる寄生虫が原因で心臓発作を起こす可能性もあるので、常に体を清潔に洗っておきながら衛生的な環境で飼う必要があります。

寄生虫が原因で心臓に異変が起きる病気として代表的なのがフィラリアです。

心臓病は一般的に発作的な印象が強いものですが、フィラリアは潜伏期間の長い病気となります。

初期症状としては時々咳をする程度ですが、時間が経ってもなかなか治らずに、むしろだんだん咳がひどくなっていきます。

人間も咳やくしゃみをする時は、体に負担がかかります。

高齢者はくしゃみをするだけでぎっくり腰になることもあるくらいです。

人間よりもはるかに体の小さい犬にとって、咳がどれほどの負担になるかは想像するに容易いことでしょう。

慢性化すると心臓だけでなく他の臓器にも影響を及ぼします。

症状がフィラリアだと断定さえできれば、薬の投与によって治療が可能で予防することもできます。

老犬の咳は、なるべく早めに獣医師に相談した方が賢明と言えるでしょう。

心不全も老犬によく見られる心臓病

心不全は、ポンプの役割を果たしている心臓が、血液を全身に送る働きにおいて何らかの支障をきたして起きる症状です。

心臓の疾患が先天性による老犬の場合、体へのダメージが大変大きく、命を脅かす病気となります。

心不全の場合の初期症状は、呼吸器系に主に見られます。

それほど動いてもいないのに息切れをしているような呼吸だったり、全身で懸命に息をしているような動作があるときは要注意です。

先天性による心不全と診断された場合は、完治は今のところ難しいと考えられています。

定期的に強心剤や利尿剤などを投与し、獣医師のサポートを受けながら症状を安定させていく必要があります。

老犬を長生きさせるには、定期的に獣医師に相談することが大切

最後に小型犬に多いのが僧帽弁閉鎖不全という病気です。

これは血液を送り出したり、動脈と静脈の流れを調整したりする心臓の弁が緩んでしまって起きる病気です。

特に肺にかかる負担が大きく、ひどいときには肺水腫になってしまうこともあります。

症状としては、咳が出るとともに舌や唇の色に変化が見られます。

これは血が十分に行き渡っていないことによって貧血症状が起きているからです。

うっ血したような紫がかった色になっているときは、早急に獣医師に診てもらう必要があるでしょう。

発作を起こして倒れてしまった場合は時間との戦いになります。

そうならないためにも、定期的に心臓の検査を受けることが望ましいと言えます。

死ぬまで元気でいてほしいというのは誰もが願うことでしょう。

しかしその理想にこだわりすぎてしまうと逆に愛犬を苦しめてしまう結果にもなりかねません。

体が衰えてしまい寿命が近づくと、様々な病気にかかってしまうのは仕方のないことです。

大切なのは必要以上に苦しませないようにすることです。

定期的に獣医師に相談していれば、飼い主が気づかない間にずっと痛い思いや、苦しい思いをさせているという状況を避けることができます。

愛犬の身になり、リスクを考えながら、心臓負担を減らしてあげましょう。