子犬が下痢をすると、飼い主としてはとにかく心配してしまうもの。
すぐ病院にと思う一方で、下痢はよくおこる体調不良なので、その度に連れて行くのも気が引けてしまう、と悩んでしまう飼い主さんも多いのです。
下痢にはたくさんの原因が考えられます。まずはそのメカニズムをしっかりと知り、原因に思い当たることはないか考えることが大切です。
ここでは、家庭でできる対処法や、すぐ病院に連れて行くべきケースについても紹介しています。
目次
子犬の下痢はなぜ起こるのか?
そもそも、なぜ犬は下痢をするのでしょうか。
下痢とは、便の中に含まれる水分量が異常に増えてしまう状態を言います。
人間と同じく、犬も食べたものを胃や腸で消化し、便として体外に排出しています。
本来であれば腸で水分の分泌と吸収を繰り返すことで、便の水分量を調節しているのですが、このバランスが崩れることで下痢が引き起こされてしまうのです。
つまり、理由は腸にあるということです。
便の水分量が増えてしまう理由としては、腸の水分分泌を増やすような刺激物が入ってきた、腸の運動が過剰になってしまった、などが挙げられます。
子犬が下痢になる原因を考えてみよう
下痢の原因として多いのは、食事
子犬が下痢をしたとき、考えられる原因としては食事、ストレス、病気の3つが挙げられます。
原因として多いのはやはり食事です。
子犬の場合、食事の量が多すぎると、消化不良を起こして下痢をしてしまうことがあります。
1日のエサの量が適量でも、1回の食事量が多いせいで下痢を起こしてしまうことも。
また、消化器官が十分に発達していないため、急に餌を変えたときも上手く対応しきれず、便が柔らかくなることも多いです。
おもちゃなどを誤飲してしまった、犬に中毒症状をもたらす植物や食べ物を食べてしまったというケースも少なくありません。
ストレスが原因で、下痢になる
人間と同じく、犬もストレスで下痢を起こします。
子犬のストレス原因としては、睡眠不足や環境の変化などが挙げられます。
子犬が新しい家に来てすぐなら、まだ慣れていないためにストレスがかかっている可能性が高いかもしれません。
また、子犬は成犬に比べて体温調節が上手でないため、お腹が冷えている可能性もあります。
冬場はもちろん、冷房をつける夏場であっても、部屋の温度には気を配ってあげるようにしましょう。
様々な感染症が原因になっていることもあります。
食事やストレス原因などに思い当たることがなければ、一度病気を疑うようにしましょう。
家庭でできる子犬の下痢の対処法
家庭では、ストレスがかからないよう気を配る、住環境や食事内容を考えることが、子犬の下痢への対処法になります。
例えば睡眠不足です。
子犬は可愛いものですが、構い過ぎると睡眠不足になりがちです。
安心できる場所でしっかり眠らせてあげましょう。犬は人間に比べて内臓が地面に近く、低い場所に溜まった冷たい冷気の影響を受けやすいため、なるべく冷えないよう心がけてあげることも大切です。
食事が原因だと思われる場合は、食事の全体的な量を減らし、かつ頻度を上げるようにしましょう。
餌を切り替える時は一気に変えてしまうのではなく、1週間ほどかけて少しずつフードを混ぜながら行うようにします。
また、誤飲や誤食をしないよう、子犬の周辺から危険なものを取り除いておきましょう。
血液が混じった下痢の場合は、すぐに動物病院へ!
一時的な下痢の場合は、元気そうにしていることが多いです。
そのときは1~2日様子を見ましょう。
しかしあまりに続くようなら、感染症や食物アレルギー、慢性腸炎などの病気が考えられるため、一度病院を受診して検査を受けるようにしましょう。
一刻も早く受診すべき場合もあります。
例えば嘔吐に続いて、血液の混じった下痢をしているとき。
これは犬パルボウイルス感染症の疑いがあります。
子犬の場合、治療が遅れると2日以内に9割が死亡してしまうため、早期受診が不可欠となります。
血便は熱中症でも見られますが、これはかなり症状が悪化している状態なので、一刻も早く病院へ向かいましょう。
血液は混じっていないが嘔吐がある、という場合は感染症が疑われます。
早期治療が重要になるので、こちらもすぐ病院へ連絡しましょう。
感染症の場合、元気がなくなるといった症状も現れるため、それも1つの判断材料になります。
日頃から、子犬の便の調子をチェックしよう
下痢の回数が少なく、元気そうにしているのであれば、一過性である可能性が高いです。
生活環境や食生活を見直して様子を見るようにしましょう。
思いがけないストレスを受けているかもしれないので、その点に注意してあげることも大切です。
下痢が数日続く、症状が激しい、元気がない、便に血液が混じっている等の場合はすぐ病院を受診するようにしましょう。
原因を突き止めて対処することで、小さな命を守ってあげることが、飼い主としての責任になります。