犬を飼っていると悩まされることがあるのが、「無駄吠え」の悩みではないでしょうか。
その中でも、今回は老犬に焦点をあてご紹介します。犬も人間と同じく、年を重ねると老化現象が起こります。
若いころはほとんど吠えることがなかったのに年を取るにつれて急に吠えるようになったという場合は、老化が起因となって起こっている無駄吠えかもしれません。
この記事では、老犬が吠えるようになる原因とその対策についてご紹介します。
目次
老犬の無駄吠えの原因①「老化による体の変化」
人間と同じように、耳のいい犬でも年を取ると耳が遠くなってしまいます。
生活環境の情報の多くを耳から取り入れていたのに、耳が遠くなってしまうと周囲の状況がわからなくなります。
飼い主がどこにいるのか、今どんな環境に置かれているのかがわからなくなると犬も不安になります。
そのために、吠えることがあります。
また、耳だけではなく体の調子が全体的に衰えてくるのが老化現象です。
そのため、体を動かすことが少なくなり、筋力が衰えてくることによって関節を支えることが難しくなります。
その痛みによって吠えているのかもしれません。
もちろん痛みは表面的なものだけではありません。
病気になって苦しいから、それを訴えるために鳴いていることもあります。
老犬の無駄吠えの原因②「認知症になっている」
老化によって影響を受けるのは、何も身体だけではありません。
脳ももちろん老化してしまいます。
認知症にはいくつかの症状があります。
昼と夜の時間的感覚が狂ってしまうため、昼夜逆転傾向がみられます。
吠えが「夜鳴き」の場合はこの昼夜逆転が原因で起こっているかもしれません。
また、認知が低下してしまうため障害物を避けられずその前で留まったり同じ場所をくるくると回ることがあります。
満腹感を感じることも難しくなるため、下痢をしているのにも関わらず食欲が増進するというのも認知症を疑う症状の1つです。
なぜ認知症になると無駄吠えが増えるのか、それは「子犬返り」が原因かもしれません。
子犬返りは、老化が原因で老犬が子犬のように振る舞ってしまうことです。
子犬は親が傍にいてやらないと不安で鳴きます。
それと同じような気持ちで老犬も鳴いてしまいますが、身体は大人です。そのため、鳴き声がどうしても大きくなってしまいます。
老犬の無駄吠えの原因③「愛犬がわがままになった」
これも子犬返りに起因すると考えられています。
人間と同じく、高齢になると自分の欲求を通そうとする気持ちが大きくなり、飼い主に対してわがままや要求の吠えを行うことがあります。
もちろん反対に性格が穏やかになる犬もいますが、性格が変わってしまうというのはそれほど珍しくはありません。
ある程度は要求を聞くことも大切ですが、わがままが常に通ると学習させてしまうと次回からも「吠えればいい」となってしまい、無駄吠えが止まらない原因となります。
老犬の無駄吠えの対策には
原因がわかれば、そのための対策が必要です。
老犬の夜鳴き対策
まず、完全に吠えをなくすのは難しい場合が多いですので、他人の迷惑になりそうな夜鳴きを防止することを考えましょう。
夜鳴きを防止するためには、夜間に寝るという習慣をつける必要があります。
そのためには、昼間眠る時間を減らすのが一番よい方法です。
昼に構い、散歩などで体力を使わせることにより、夜は寝るというサイクルを身につけさせましょう。
夜間寝ている最中に目を覚まし、不安から鳴いてしまうようでしたらなるべく飼い主が見える位置に寝かせるようにすることで不安が軽減されます。
もし、屋外で飼育しているのであれば夜間だけでも玄関に入れるなど、飼い主を近くに感じられるようにしてあげましょう。
その際に、飼い主の匂いがついた毛布やいらなくなった衣類などを寝床に入れてあげるとよりよいです。
老犬の認知症の対策
認知症は現代の医学では治すことはできません。
ですので、進行しないように対策を行う必要があります。
まず、刺激がない日常では認知症が進行しやすいです。
なるべく日中は日光浴をさせるなど、少しでも刺激を与えてやりましょう。
まだ身体に痛みがある様子がない、散歩には行きたがるという場合は、毎日コースを変えてみるというのも犬にとっては刺激的です。
ドッグランやボール遊びなど、運動をさせるとよいでしょう。
もし歩くことが困難なら補助具を使う、カートなどで外の景色を見せてやるというのも脳にはよい刺激ですし、ストレスの解消にもなるので認知症の進行を遅くする効果があるとされています。
老犬が吠える原因とその対策まとめ
老犬になってからよく吠えるようになったという場合は、なんらかの原因が隠されていることが多いです。
高齢化に伴い、身体に痛みがある、病気になったということもありますので、身体に触れて痛がる様子がないかを観察しましょう。
もし、痛みがあるようでしたら動物病院に連れて行くことで解決する場合があります。
また、脳も老化をするため、認知症に罹っている可能性があります。認知症は根治ができないため、早めに対策を行う必要があります。
刺激を与え、脳を活性化させることが大切です。