犬は成犬になっても留守番が苦手な子もいますので、子犬にはひとりぼっちで過ごすことは難しいことです。
かといって、日中ずっと家に誰かがいる状態にすることは、現実的ではありません。
仕事や買い物、学校への通学などで長時間留守にすることも多いでしょう。
ですから少しでも子犬が安心して留守番ができるように環境を整え、子犬に丁寧なしつけをしてあげましょう。
それでは、子犬がじょうずに留守番できるようになるためのコツを紹介していきます。
目次
子犬の留守番はトレーニングが必要
犬を飼っている家庭でも、誰かが1日中在宅している家庭ばかりではありません。
どのような家庭でも時間の長短の差はあっても、何らかの形で不在にしている時間はできてしまうものです。
ですからどんな犬も多少の留守番は経験しています。
ただ、留守番はそれなりのしつけをしないとできるようにならないもので、飼い主の知らない間に小さなトラブルが起きている可能性もあります。
愛犬の安全のためにも、ご近所に迷惑にならないようにするためにも、じょうずな留守番のやり方を子犬のうちから身につけさせてあげて、飼い主も安心して外出できるようにしておきましょう。
子犬にとって、留守番の練習は大切
外出先から戻ったら、部屋の中が荒らされていたり家具やカーペットがかまれていたり、子犬が部屋のいたるところでトイレをしていたなどイタズラをされていたことはないでしょうか。
好奇心旺盛な子犬は飼い主という目がなくなると、このように好奇心のまま行動してしまいがちです。
普段は身の回りの物に無関心なように見えても、自分だけになってしまうと賢い子ほど「いたずらのチャンス」「不安からパニック」などの心理状態になり、驚くようないたずらをすることがあるのです。
部屋が荒らされる程度ならまだ取り返しがつきますが、危険なものを誤飲してしまったり、火災を引き起こすなど命にかかわるようなことを引き起こしたりしては大変です。
他にも大声で吠え続けたり、外で買っている場合は通行人などに吠えかかってしまったりといった問題行動を起こす可能性もあります。飼い主が帰宅するころには落ち着くことも多いので、そのような状態と知らないのは飼い主だけという事態もあり得ます。
成犬になってから習慣を変えることは難しいので、子犬のうちにしっかりとマナーを身に付けさせましょう。
ご近所との騒音トラブルにならないように飼い主がいない時間帯に心がけたいことは、1つ目に近隣への迷惑行為の予防、2つ目に子犬の安全な過ごし方を配慮すること、3つ目は家族としてのルールを徹底することです。
子犬が留守番の際にしてしまう迷惑行為を予防するしつけ
子犬が留守番するときに起こしてしまう問題行動にはかならず理由がありますので、それを理解して取り除くように対策しましょう。
本来犬は群れて生活する習性がありますので、ひとりきりになるとは群れから離れることであり生命の危険を本能的に感じてしまうのです。
また子犬にとっては飼い主がいつ帰るかわからないので、もう二度と帰ってこないのではないかと不安になってしまう場合もあります。
頼る人がいない状態では、縄張り(家)に敵が侵入した際に子犬が自分だけで戦わなければならないという、とても緊張した状態になることなどを理解する必要があります。
他にも人間にとっては生活の一部である日常の生活音や玄関のインターフォン、屋外からの騒音なども経験が少ない子犬にとっては恐れを抱く要因となるのです。
子犬のうちから散歩などで家の周囲の生活音に慣れさせ、音の元がどんなものか知っておくようにさせることで自分に危害を加えるものではないと分からせ、インターフォンは来客の知らせだと繰り返し経験させて不安を一つずつ解消させておいてあげましょう。
飼い主が外出しても短時間で帰ってくるという経験を何度かさせて、ひとりでいても怖がる必要はないと理解させ、さまざまな経験を積ませましょう。
子犬が留守番する時は、安全な環境を用意しよう
子犬が安全に留守番できるように、まずは環境を整えましょう。
留守中は子犬をハウス内で過ごさせ、おもちゃを与えます。
ハウス内に閉じ込めるのはかわいそうだし運動不足になるのではないかと考えるかもしれませんが、子犬が立ち上がって自由に向きを変えたり手足が伸ばせたりする広さを確保し、天井や屋根が覆ってあり直射日光が当たらないなど理想的なハウスであれば、決してかわいそうなことはありません。
他にも玄関がハウス内から見えない場所に設置したり、飲み水やトイレなどの必要なものをそろえたりなど気を配りましょう。
このような快適で理想的なハウスであれば留守中はハウス内だけに警戒すればいいので、かえって子犬にとっての心理的な負担は減ります。
ハウスを利用しないで室内を自由に行動できると、その行動可能範囲全てに注意を向けなければいけなくなるのです。
もちろん長時間ハウスで過ごすことで運動も制限されますので、運動不足を解消するために朝夕の散歩や休日にドッグランへ連れていくなど、メリハリをつけて子犬が全力で走ったり他の犬とじゃれあったりする時間と場所を積極的に確保してあげましょう。
そして暑い夏や寒い冬は、ハウス内から動けない子犬のためにエアコンなどで快適に過ごせるように気をつけてあげましょう。
子犬に留守番のマナーをしつけよう
子犬が留守番をじょうずにできるようになるために身に付けなければならないことがいくつかありますが、最も大切なのがハウス内で静かに過ごすことです。
これは子犬にとって一番難しいしつけかもしれません。
身に付けるためには、普段からハウスが快適な場所であると認識できるようにする必要があります。
そのために食事はハウス内で食べさせるよう習慣づけ、ハウス内だけでしか遊べないおもちゃやもらえるおやつを決めておきます。
遊びの合間にハウスに誘導し、ハウス内でお座りやお手などをしたらごほうびのおやつを与え「いいこと」がハウス内でたびたび起こるという経験をさせてハウスに良いイメージを植え付けることが大切です。
生後間もない子犬の時は特に行動を制限されることを嫌い、ハウスに入れると吠えだすことがあります。
この時に飼い主が声をかけたりハウスから出したりすると、吠えれば出られると学習してしまうので注意しましょう。
ハウスから出すときは、必ず子犬が静かになって望ましい状態になった時に限りましょう。こうして繰り返すうちに子犬がハウス内に長時間いられるようになるのです。
子犬に後追い吠えをさせない
次に、飼い主に対して後追い吠えをしないようにさせましょう。
後追い吠えとは、飼い主が外出をするときに子犬をハウスに入れると、子犬が留守番させられることに気づいて吠えだすことです。
飼い主の外出後もずっと吠え続ける子犬もいますので、出かける直前にハウスに入れないようにする、出かけるときに声掛けをしない、気をそらすおもちゃなどを用意しておく、子犬が自らハウスに入るようにしつけるなどの工夫をしましょう。
後追い吠えをさせないようにするには、子犬が何かに集中している時にサッと出ていくことがベストです。
そのためにガムやコングのような完食に時間のかかるものを用意して、子犬が夢中になっている隙に出かけるようにするといいでしょう。
出かけるときに声かけをするとむしろ不安をあおってしまうので逆効果になります。またハウスへの出入りを飼い主が抱っこで行うなど無理にさせてはいけません。
ハウスの合図で子犬が自ら出入りするようにしつけないと、成長後に反抗され外出がスムーズにいかなくなってしまうのです。
子犬に帰宅時の催促吠えもさせない
催促吠えとは帰宅時にハウスから出すように吠えることを言いますが、帰宅時に真っ先に子犬をハウスから出すことはやめましょう。
このように行動すると、子犬は飼い主が自分を最優先で扱うと学習してしまいます。実際には帰宅直後はトイレを済ませたり着替えたり部屋のカーテンを閉めたりとすぐにやっておきたい用事があります。
それなのにハウスから真っ先に出してもらえないと不満を感じて吠え続けるようになると、飼い主も子犬に対してストレスを感じてしまうようになり、お世話がおっくうになってしまうのでお互いの関係に良くありません。
ですから帰宅した時に子犬が吠えていてもハウスには一切近寄らず、すぐには出さないというルールを家族の間でも徹底して、飼い主が一息ついて子犬が落ち着いたタイミングで声掛けをしてから出す習慣をつけましょう。
まとめ。子犬の留守番はスモールステップがコツ
留守番は子犬にとってとても難しい課題ですので、短い時間から少しずつ慣らして繰り返し練習し、だんだん長時間の留守番ができるように導いてあげましょう。
日中に長時間の留守番が発生するようならば、夜の寝ている間もハウスを利用して長時間ハウスにいることが当たり前の生活にしておくことも大切です。
初めからお利口に留守番ができる子犬はいませんので、課題をひとつずつクリアしながら留守番のしやすい環境づくりをしてあげましょう。愛犬との快適で楽しい生活にぜひ役立ててください。