仕事や家の事情など、何らかの理由で愛犬に留守番をお願いすることがあるという飼い主さんは少なくありませんよね。
そんな留守番をしている愛犬の中には、留守番をしている間に普段はしないようなトイレの失敗や粗相をしてしまうということがあるようです。
このような問題には原因が存在しているほか、対策をすることで予防することができるとされています。
そこで今回は、留守番で愛犬が粗相をしてしまう原因とその対策について解説します。
目次
留守番ができない犬の行動について
一般的にきちんとしつけをされている犬は、留守番をしたとしても特に大きな問題を起こすことはないとされています。
ただ留守番がなかなかできないという性格をしている犬も少なくないようで、そのような犬の場合はトイレ内にきちんと排せつができていないという状況が多く見受けられます。
またトイレの中に排せつできていたとしてもはみ出てしまっていたり、普段よりも使い方が汚いという状況も知られています。
そしてそれらの状況を犬自身も認識できていないのか、糞尿を踏んでいたり糞尿を家の中にまき散らしてしまうことが飼い主にとって大きな負担となっているようです。
このため留守番ができない愛犬の問題行動として考えられているようですが、何が原因なのかわからないという人やどのように対策をすればいいのかわからないという人も少なくありません。
犬が留守番の時だけトイレに失敗する原因
犬が留守番中にトイレに失敗してしまう原因1「分離不安」
普段はトイレの失敗や粗相がないのに、留守番をしている時だけトイレに失敗したり粗相をしている場合、考えられる原因として挙げられているのが「分離不安症」と呼ばれるものです。
これは犬が飼い主から引き離されてしまった寂しさや不安から、家の中や家のものを荒らしたりトイレに失敗してしまう現象を言います。
つまり買主が普段傍にいることが当たり前と思っている犬にとって、飼い主がいなくて自分だけになってしまう留守番は大きなストレスになっているということです。
ちなみに分離不安症を起こしやすい犬の傾向としては、普段から飼い主に深い愛情を注いでもらっているという点があります。
このため飼い主が近くにいないと愛情を感じられずに、「捨てられてしまったのではないか」などの不安を感じやすくなると言います。
犬が留守番中にトイレに失敗してしまう原因2「トイレトレーニングが十分ではない」
もうひとつの原因として挙げられているのが、トイレトレーニングが十分ではないという点です。
こちらの場合は普段からトイレに失敗しやすいと思われがちなのですが、中には普段はトイレに失敗していないという犬も少なくありません。
例えば普段決まった場所に排せつをしていない犬の場合、トイレの概念が理解できていないので留守番中も様々な場所に排せつしてしまいます。
実は犬や猫などの動物にはトイレという概念が存在しないため、トイレトレーニングで排せつするべき場所を教えていないと適当な場所に排せつする癖がついてしまうのです。
またトイレ内にはきちんとできているけれどもはみ出てしまっているという犬の場合、トイレ自体が狭かったり排せつ物がトイレからはみ出してはいけないことを教えてもらっていない場合が考えられます。
このように普段のトイレトレーニングが不十分な状態で留守番をさせても、犬は普段通りに排せつするので家の中が糞尿だらけになってしまうというわけです。
犬の留守番中のトイレ失敗や粗相の対策
犬の留守番中のトイレ失敗や粗相の対策1「留守番のトレーニングを行う」
愛犬の留守番中のトイレ失敗や粗相を防ぐための対策としては、まず留守番そのもののトレーニングを行う必要があります。
例えば分離不安を起こしている犬の場合は飼い主と離れている時間に慣れていない場合が多いため、少しずつ飼い主と離れた時間に慣れるように躾けていきます。
具体的にはまず別の部屋で過ごす時間を作るようにして、少しずつ犬が慣れてきたところで飼い主だけ短時間の外出をするようにするというものです。
そうして犬の依存度を下げていくことで、分離不安を改善することができます。
また留守番中に飼い主のことを意識させないように、30分以上遊べるおもちゃを与えるようにすることもトレーニングの一つとして取り入れることがおすすめです。
慣れてくればおもちゃを利用してオヤツを設置するなど、より集中して遊べる工夫を取り入れるようにします。
犬の留守番中のトイレ失敗や粗相の対策2「犬にとって安心できる環境を作る」
留守番中の犬にとって、家の中はとても広い空間です。
そのため何もつけたり設置せずにそのまま放置してしまうと、家の中全てを自分のテリトリーと考えて守らなければいけないと思ってしまいがちになります。
ただテリトリーとするには家の中は広すぎることから、パニックになったりストレスになってしまった結果でトイレ失敗や粗相をしてしまうという意見もあるようです。
このため留守番中はそのままにするのではなく、ケージやサークルなどの空間を作ってあげることが必要だとされています。
ケージやサークルは一見すると狭い空間のように思えますが、実は犬にとっては程よいテリトリーなので安心しやすい空間となっているようです。
このため留守番のトレーニングの中でケージやサークルの中で過ごす訓練も取り入れると、より効果的だとされています。
ちなみにこの時、犬が鳴いてもすぐに駆け付けたりケージやサークルから出さないようにすることが対策のポイントです。
犬の留守番中のトイレ失敗や粗相の対策3「留守番中に寝るように仕向ける」
ほかにも対策の一つとして挙げられているのが、留守番中は寝るように工夫するというものです。
まだ留守番に慣れていなかったり分離不安が強い状態だと、留守番トレーニングをしていてもなかなかうまくいかないということがあります。
このためどうしても留守番してもらわなければいけない場合に利用できるのが、愛犬に寝てもらうという方法だとされています。
留守番をしてもらう前に散歩をして疲れてもらうことがおすすめなのですが、散歩の時間や運動量によっては逆に覚醒してしまったり留守番中に覚醒してしまうという可能性もあります。
そのため散歩時間や運動量はどの程度が適切なのかを把握した上で実施する必要があるほか、やや不安定な部分もあるため一時的な留守番などで利用することがよいとされています。
犬の留守番中のトイレ失敗や粗相の対策4「トイレトレーニングの実施」
そしてそもそもトイレトレーニングが不十分で留守番中にトイレの失敗や粗相があるという愛犬であれば、トイレトレーニングを改めて実施することが対策となります。
特にトイレの場所を覚えてもらうことが重要で、トイレ以外の場所で排せつしないようにするという意識付けをさせることが必要になります。
その上でトイレから排せつ物がはみ出てはいけないことを躾けたり、トイレの大きさの変更・トイレシートの活用なども検討することがおすすめです。
まとめ。愛犬の留守番トレーニングは飼い主の努力も必要
トイレの失敗や粗相など留守番中の愛犬の問題行動は、分離不安などの飼い主への愛情の深さやトイレトレーニングの不十分さなど飼い主が起因となっているものが多いです。
そのため飼い主が一緒に留守番トレーニングやトイレトレーニングを実施することで改善することができますし、愛犬も自立心を養うことができると考えられています。
もしも愛犬が留守番ができないと悩んでいる場合は、まず原因を考えてそれに応じた対策を飼い主も一緒に実施することが大切です。