大きなエンジン音が響き、移動中に揺れる車に対して苦手意識を抱いている犬が非常に多いです。
老犬と旅行がしたい、遠くまでドライブしたいと考えている場合は日頃から車に慣れさせておくと老犬の負担を軽減できます。
目次
車に対する苦手意識を徐々になくしてあげよう。
まず、ドライブによって辿り着く場所が動物病院など犬にとって嫌な場所であれば「車に乗ると怖い場所に連れて行かれる」と認識します。
犬が遊べる公園を目的地に設定すると、車に対する苦手意識が徐々に薄れていくでしょう。
いきなり車に乗せると怖がってしまうので、最初はエンジンを切った状態で犬と一緒に車内で過ごします。
慣れてきたら近くの公園、次に遠くの公園というようにドライブの距離を伸ばしていけば老犬の負担を最小限に抑えられます。
ケージやドライブボックスを用意して、体への負担を減らしてあげよう。
実際に老犬を乗せてドライブする際は、「ケージ」や「ドライブボックス」を使用してください。
若い犬であれば「セーフティーハーネス(犬用シートベルト)」を使用する方法もありますが、正しい姿勢で座り続けるのは老犬にとって大きな負担と成り得ます。
ケージやドライブボックスは自分の好きな姿勢で乗車できるので、体への負担が少ないです。
いつも使っている毛布を入れておくと、犬は安心します。
セーフティーハーネスは事故が発生した時に犬の身を守ることに優れているので、運転に自信がない人は使用すると良いかもしれません。
老犬は消化機能が弱っているので、車に酔いやすい。
犬は人間と同じように車に酔うことがあります。
特に老犬は消化機能が弱っているので、車に酔って吐きやすいです。
ドライブ直前の食事は控え、遅くともドライブの2時間前には食事を済ませておきましょう。
車独特の臭いで酔うこともあるため、換気をすることが大切です。
ただし、走行中に窓を開けてはいけません。走行中はスピードがあるため、外のさまざまな臭いが一気に車内へ入ってきます。
臭いに敏感な犬は、さまざまな臭いを脳で整理できずに車酔いを悪化させる可能性があります。
犬を車へ乗せる前に窓を開けて適度に換気を行うことがコツです。
換気と同時に夏場や冬場であれば、冷暖房で車内を過ごしやすい気温にしておくことも必要となります。
老犬の体を考えるなら季節の変わり目や夏場・冬場といった体調管理が難しい時期は避けて、春や秋の過ごしやすいタイミングにドライブへ出掛けた方が良いです。
ドライブは、老犬のボケ防止にもなる。
犬を乗せる前のテクニックの他に、ドライブ中にできる工夫もあります。
飼い主が優しく声を掛ければ、犬は非常に安心するものです。
こまめに犬の体調をチェックしながら、積極的に声を掛けてあげましょう。
さらに、途中で休憩をとることも大切です。水分補給やトイレの時間を設ければ、車酔いを防ぐことにも繋がります。
ドライブによって見知らぬ土地へ行くことは脳へ刺激を与えて老犬のボケ防止となり、体への負担を考慮する必要はありますが適度な距離であればドライブへ連れて行くメリットは存在します。
ドライブに連れて行く際の3つの注意点
老犬とドライブに行く際、特に注意しなければならないことは主に3つです。
犬だけを車内に残さないことが1つ目となります。
買い物中は犬だけを車内に残す人もいますが、寂しがるだけではなく身体的にも大きな負担を与えます。
夏場であれば熱中症になる危険性もあるので、必ず誰かが車内に残ることがポイントです。
できれば日陰に停車して老犬の負担を最小限に抑える工夫を心掛けてください。
2つ目は老犬を運転手の膝上に乗せないことです。
「飼い主と密着しているから犬は安心する」と考える人もいるでしょう。
しかし、膝上は移動中の揺れが伝わりやすいので非常に不安定です。
老犬は自分の体を支えるのが若い頃よりも難しくなっています。
先程紹介したケージやドライブボックスを使って、老犬の楽な姿勢で乗車させる必要があります。
また、膝上は犬の動きが制限されていないので勝手に動いて事故を引き起こす危険性もゼロではありません。
できれば後部座席に犬を乗せて、運転手以外の同乗者がドライブ中に犬のケアをするのが理想的です。
逆に動きを制限し過ぎると負担を与えてしまうため、適度に犬の動きを制限することが重要となります。
3つ目の注意点は、近隣の動物病院を把握しておくことです。
体の弱っている老犬は、ドライブ中に体調が悪くなるケースもあります。
自宅や目的地から利用しやすい動物病院を調べておき、万が一の場合に備えておくことが大切です。
基本的なテクニックと注意点を踏まえた上でドライブをすれば、老犬との思い出を築くことができます。
是非ルールを守って楽しいドライブにしてください。