老犬が床でツルツル滑るときの4つの対処法

ツルツル滑る 老犬の介護

家族、パートナーである愛犬と幸せに暮らしていくために必要なものと言えば、それはもちろん愛情です。

心のこもったコミュニケーションや食事、散歩などを通して、愛犬も飼い主さんもたくさんの喜びを得ながら暮らしていけることでしょう。

ただ、愛犬が年老いてくると、若い頃とは違った配慮をしてあげないといけないことが出てきます。

今回はその中でも、室内の環境として最も基本的なもののひとつである床について、老犬のためにどんなことをしてあげられるのかを取り上げようと思います。

老犬にとって、フローリングは滑りやすく踏ん張りが効きにくい。

今や、室内床の主流となっているフローリングですが、犬にとっては滑りやすく踏ん張りが効きにくい少し困った存在です。

それでも若い犬であれば、筋力も十分にあり、多少滑ったとしてもすぐに体勢を立て直すことができるため、あまり問題を感じないかも知れません。

しかし、加齢に伴う筋力の低下によって、徐々にフローリング床の上で生活することは、愛犬にとって危険で不快なものになっていきます。

特に後ろ足の踏ん張る力が弱ってくると、フローリングの床で滑って転んでしまう危険性は格段に高まってきます。

また転ばなくても、滑って開いてしまった足をうまく閉じることができないことによって、関節を傷めてしまうなどの可能性もあります。

フローリングでの生活が、不快になっている可能性がある。

さらに、そこまで大変なことに至らなくても、筋力の弱ってきた老犬にとっては、滑りやすいフローリングの上での生活自体が不快で、常に気が休まらずストレスが溜まっていってしまうかも知れません。

人間にとってストレスが様々な心身の不調につながるように、犬にとってもストレスは大敵です。

大切な愛犬がストレスなく安心して暮らせるような環境づくりにとって、フローリングの床への対策は必須のものと言えるでしょう。

 

そこで、滑るフローリングの床のお部屋でも、老犬に安心できる快適な環境を提供してあげるために考えられる対策法を以下に4つ紹介します。

クッションマットは床に吸着するタイプを選ぶ。

まず考えられる簡単な対策法としては、クッションマットを敷く方法です。

表面が滑りにくく、一定のクッション性があること必須の条件ですが、それ以外にも気を付けて選ぶべきことがあります。

まず最初にマットを床に固定する方法です。

せっかくクッションマットを敷いても、その上を愛犬や人が歩くたびに床の上をマットが滑ってしまうようであれば、愛犬だけでなく飼い主さんにとっても危険が生じてしまいますので、裏面がフローリング床にぴったりと吸着して固定できるタイプのものを選ぶようにしましょう。

また、クッションマットの清潔を保つ方法についても、最初から気を付けておきましょう。

この点は、液体が染みにくい素材で、簡単に拭くだけで汚れを取ることができる素材のものを選ぶことが基本です。

さらに、カットしやすくサイズ調整が簡単なものであればベターです。

小さいサイズのものを複数利用することも可能ですが、その場合どうしてもマット同士の隙間や段差などが出来てしまい、愛犬がつまずいてしまう可能性が出てしまいます。

大きめのサイズのものを使用したい場所にぴったり合わせて使える方が安心です。

尚、クッションマット代わりに絨毯タイプのカーペットを敷くのはおススメできません。

起毛にひっかかって愛犬の爪を傷めてしまう可能性があるのです。

ジョイントマットは、老犬が安心するように単色で敷き詰める。

次に考えられる方法としては、ジョイントマットの利用です。

正方形に近いマットのパーツをモザイクのように敷き詰めていくタイプのものです。

ジョイントマットの一番の利点はパーツを簡単に外せるので、掃除が簡単で清潔を保ちやすいという点です。

大きなマットを洗うことを考えればかなり有利なポイントと言えます。

ただし、やはり気を付けなければならないのは床への固定。

一般のジョイントマットは床の上での固定性がほとんどなく、簡単に滑って位置が変わってしまいます。

これでは愛犬にとっても人間にとっても危険。

できる限り広範囲に敷くこと、床の端まで敷き詰めることなどである程度この危険は防げますが、中には裏面が吸着式になっていて床にある程度固定できるタイプのものもあります。

吸着式のものを広範囲に敷き詰めれば安全性はかなり高まると思います。

一方で注意したいのはジョイントマットの色合いです。

ジョイントマットは色の組み合わせて楽しい模様を作れるので、ついついチェック柄のようにデザインして敷き詰めたくなりますが、そのような色彩の細かい切り替えは犬にとっては落ち着かない原因になってしまいます。

単色で敷き詰めて愛犬が落ち着ける雰囲気を作ってあげることを心がけるようにしましょう。

またマットを敷いていないフローリング部分との色の違いがある程度際立つような色を選択しておけば、安全な部分と要注意な部分の違いを愛犬が覚えて注意を払うことが出来るようにもなります。

ペット用床材を使ったフローリング床にリフォームする。

さらに、予算などに余裕があるなら、フローリング床のリフォームという方法もあります。

現在では、ペットと暮らすことを最初から想定したペット用床材が開発されています。

通常のフローリング床のような見た目でありながら、愛犬が滑りにくく足腰にやさしいだけなく、表面が傷つきにくくお手入れもしやすくなっています。

この方法であればマットを別に用意する必要もありませんし、清掃も通常の床のお手入れとして行えば済みます。

見た目もとても良いので、愛犬にとって良いだけでなく、飼い主さんにとっても居心地の良い空間になることでしょう。

お散歩やマッサージで、老犬の足の衰えを少しでも遅らせる。

最後に、愛犬のお散歩とマッサージがフローリング床での怪我を防ぐ最も基本的な方法だということを知っておいて頂きたいと思います。

もちろん、上に見てきたような対策を行っておくことは前提ですが、加齢による衰えを少しでも遅らせ、少しでも長く元気に歩いたり走ったりできるようにコンディションを整えてあげることが、怪我予防にも、愛犬の幸せにとっても最も大切なことであるということです。

もちろん、若い頃のように長い距離、時間をかけてお散歩することは少しずつ難しくなっていくでしょうが、それでも歩ける限りは毎日のお散歩を少しでもしっかりして、筋力を保つようにしてあげることが大切です。

また、1日10分程度で良いので、足首や足の付け根をやさしくマッサージしながらストレッチしてあげてください。

自分の足で1日でも長く充実した生活を送っていけるようなコンディション作りは、大切な家族、パートナーである愛犬の幸福感をきっと高めてくれるはずです。