体の清潔さを保つことは健康の基本。
それは若い犬であってもシニア期に入った犬でも変わりません。
しかし若い時と同じようにお風呂に入れるのは避けましょう。老犬にとってお風呂は結構な負担になるのです。
目次
お風呂は、老犬にとって負担になることがある。
年を取ると、人間と同じように、犬も体力や筋力が低下します。
その状態で長い間、洗わられたり、ドライヤーをかけられたりすることは、老犬の体に大きな負担をかけてしまいます。
足腰に負担がかかるのはもちろんですが、お湯やドライヤーによる熱い温度が原因になることも。
息苦しくなった結果咳や呼吸困難が現れるケースもあるのです。
免疫力や抵抗力が落ちているため、皮膚病になりやすい。
とはいえ、お風呂に入れないと不衛生になり、皮膚病になる可能性が高くなります。
シニア期の犬は免疫力や抵抗力が落ちるため、皮膚病になりやすくなっています。
肌のバリア機能も低下するため、もともとアレルギー体質の犬の場合はアレルギー性皮膚病を発症しやすくなることも。
これらの肌トラブルを防ぐためにも、やはりお風呂は必要です。
つまり、いかにして負担をかけずにお風呂にいれるか、を考えなくてはならないのです。
まめな入浴、まめなシャンプーがかえって皮膚の抵抗力を弱くする。
まずはお風呂の頻度を見直してみましょう。
若い頃と同じような頻度で入れていては、入浴回数が増えることで愛犬の負担が大きくなってしまいます。
また洗えばそれだけ清潔になる訳ではないことも押さえておきたいポイントです。
特に免疫力の落ちている老犬の場合、まめな入浴、まめなシャンプーがかえって皮膚の抵抗力を弱くしてしまうことがあります。
獣医さんのアドバイスを元に、皮膚の汚れ具合や愛犬の状態を見ながら、タイミングを計るようにしましょう。
お風呂に入れる際の注意点
ではお風呂に入れる際はどのような点に注意すればいいのでしょうか。
まず前段階として、浴室と脱衣所を予め温め、温度差を少なくしておきます。
温度差が大きいと体への負担も大きくなりますし、風邪もひきやすくなります。
特に冬場は部屋の温度も上げておき、少しでも暖かい日中に入れてあげるのがいいでしょう。
また、犬の足元には必ずバスタオルや滑り止めマットを置くようにします。
滑らないようにすることで足腰への負担を和らげることができます。
万全を期すのであれば、伏せやお座りの体勢で洗うようにすれば安全です。
シャンプーする際の注意点
入浴はできるだけ時間短縮を頭に入れて行います。
まず、熱すぎるお湯は愛犬の負担になってしまうので、ややぬるめの36度〜38度くらいのお湯を準備。
低刺激のシャンプーを予め泡立てておき、泡で包むような感覚で手早く洗っていきましょう。
泡が汚れを浮かしてくれるので、擦る必要はありません。
むしろ擦ると皮膚を傷付ける原因になるので、優しく洗う、を忘れないようにしましょう。
リンスインシャンプーを使うのもおすすめです。
シャンプーの後で改めてリンスをする必要がなくなるので、時間短縮に繋がります。
シャンプーが終わったら、シャワーヘッドを愛犬の皮膚に密着させるようにしてすすぎます。
こうすることで根元からシャンプー剤をしっかり落とすことができるのです。
シャンプーが残っていると、その残りが汚れになって皮膚炎を起こす原因になるので、しっかりとすすぐようにしましょう。
ドライヤーする際の注意点
シャンプーが終わったら、ドライヤーを取り出す前に必ずタオルで体を拭いてあげてください。
予め水分を取っておくことでドライヤーの時間を短縮することができます。
予め吸水性の高いバスタオルを数枚用意しておくとすぐタオルドライに取りかかることができます。
タオルで水分を十分とったら、いよいよドライヤー開始です。
弱風の温風に設定し、タオルと愛犬の体の間に温風を吹き込ませるようにすると手早く乾きます。
毛の根元からしっかりと、それでいて手早く乾かしていきましょう。
入浴がすべて終了したら、ゆっくりと休ませてあげることも大切です。
様子を見ながら、無理はさせないように。
老犬の場合、一度のお風呂で全身を完璧に洗い上げる必要はありません。
愛犬の様子を見ながらお風呂に入れ、もししんどそうならすぐ切り上げてあげましょう。
「今回洗えなかった場所は次回洗う」くらいの意識で大丈夫なのです。
また、部分洗いで汚れやすいところをマメにケアしておくと、お風呂に入る回数を減らすことができます。
洗い流さなくていいシャンプーを利用したり、熱めのお湯で濡らしたタオルで拭いてあげるのもいいでしょう。
年を取ると、お風呂に入るのも一苦労です。
できるなら若いうちから伏せやお座りをした状態でシャンプーできるよう、練習しておくといいでしょう。
愛犬といつまでも健康で過ごすためにも、年を取ったときのお風呂について一度考えてみてください。