犬も人間同様に、高齢になると心身に色々な変化が見られるようになります。
若い頃とは違った動作をするようになりますので、何かにつけて心配が尽きないのが、家族の本音でしょう。
犬は、人間よりも早いスピードで年を取ります。
一般的には7歳を過ぎると高齢犬の仲間入りとされており、フードなども高齢犬用に切り替える必要が出てくるわけです。
目次
老犬になると、股関節の病気の発生率が高くなる。
老いの兆候が現れる時期は、犬種や個体によっても変わってきます。
飼い主が愛犬の老いに一番気づきやすいのが、散歩に連れ出した時です。
高齢になると、犬もこれまでのようにスピーディーに歩けなくなることがあります。
何となくぎこちない歩き方をするようになったら、関節や筋肉の異常が疑われます。
実際、老犬になると一気に罹患率が高くなるのが、股関節の病気です。
このような病気には、日ごろの生活環境も少なからず影響を与えています。
階段などの段差のある所を毎日昇り降りしている犬の場合は、日常生活の中で関節にかなりの負担がかかっています。
高齢になると犬も関節が弱くなってきますので、それまでの身体的ストレスが影響し、トラブルの兆候があらわれてくることがあるのです。
散歩のコースを変えてみる。
愛犬の足腰が弱った時には、散歩のコースを変えてみるのが1つの方法となるでしょう。
いつもよりもコースを短くするだけでも、足腰の負担は大分減らすことが出来ます。
段差のある場所は避けて、犬にとっても歩きやすい場所を選ぶのがポイントです。
症状によっては、散歩の頻度を少なくするなどの対応も必要になってきます。
出来る範囲で運動を行っていくのが、このような場合の対処法です。
足腰が弱ると、新たな病気を招くリスクが高くなる。
足腰が弱ったことによって全く運動をしなくなってしまうと、新たに病気を招くリスクが高くなるのが問題です。
肥満の状態に陥った場合は心臓にもかなりの負担がかかりますので、さらに健康状態が悪化することも考えられます。
歩き方に変化が見られた時点で対処をしておけば、現状維持も十分に望めます。
かかりつけの動物病院に相談をすると、大抵は愛犬に合った生活スタイルをアドバイスしてもらえます。
不安に感じることがあれば、獣医師などのプロに臆せず相談するのが良い方法です。
適度な運動は、老犬の食欲を維持させるためにも役立ちます。
老犬になると、食欲が低下気味になるのが多くの犬の傾向です。
運動が不足した状態は、便秘の一因にもなります。
ストレスを増大させるなど、メンタル面での悪影響も気になる所です。
小型犬の場合は、室内に自由に歩き回れる環境を作るだけでも運動不足を解消できます。
中型犬以上の犬に関しては、やはり屋外に連れ出してあげた方が良いでしょう。
今では、犬専用のカートなどが販売されています。
このようなアイテムを使えば、片道だけ歩行をさせることもできます。
散歩に利用できるエリアが限られている時には、この手の介護グッズが意外に役立ってくれます。
関節や筋肉の状態を維持するためには、食事内容も大切。
関節や筋肉の状態を維持するためには、食事内容も大切です。
老犬になると、一般的に消化の良い食事が推奨されます。
量が少なくても、十分にカロリーや栄養が摂取できる内容を考えてあげるのがコツです。
市販のウェットフードを利用すると、歯の弱ってきた犬でも食事の負担が大分減ります。
必要に応じて栄養を補えるのが、例えば犬用のミルクやスープの類です。
近ごろは多種多様なフードが販売されていますので、飼い主のアイデア次第で色々な工夫が凝らせます。
トッピングなどを加えると、食欲がない犬でも食いつきがよくなるケースがあります。
整腸効果も期待出来るのが、プレーンヨーグルトなどの発酵食品です。
犬は、乳製品に含まれる乳糖に対して耐性がありません。
ですので、人間が飲んでいる牛乳は与えない方が良いというのが昨今の説です。
発酵のプロセスを経たプレーンヨーグルトは乳糖が既に分解されているため、胃腸の調子が芳しくない時でも安全に栄養補給が叶います。
市販のフードに頼りたくないという方は、自分で愛犬の食事を手作りしてあげるのもグッドアイデアです。
使用する食材を選べば、愛犬の好みに合ったメニューを与えられます。
手作りの場合は、材料などを自由にアレンジ出来るのが1つのメリットです。
愛犬に食べてもらいたい食材を積極的に取り入れて、オリジナルの料理を与えてみましょう。
このような手作りの食事は、犬と飼い主とのコミュニケーションにも一役買ってくれます。
愛情たっぷりのごはんで、愛犬の健康状態を管理していきましょう。
犬用のサプリメントを試してみる。
愛犬の健康状態に気を配る飼い主は、現在、犬用のサプリメントなども利用し始めています。
サプリメントには、健康維持に役立つ様々な成分が配合されており、目的に合わせたケアが行えます。
足腰が弱った犬の場合は、コラーゲンやコンドロイチンを配合したサプリメントなどがおすすめです。
この手の成分は、犬の関節ケアにも利用されています。
症状が軽いうちに使用を始めれば、生活の質を長く維持出来る可能性があります。
免疫力を上げるサプリメントなども出回るのが、最近の状況です。
がんやアレルギー疾患などを予防するために、犬も健康食品を積極的に利用できるようになっています。
食事管理が難しい時には、健康食品を取り入れるというアプローチ法もあります。
老犬にとって、家族の愛情が一番の糧
元々リーダーを求める犬は、何歳になっても飼い主に特別な感情を抱いています。
子犬の時から育ててきた犬であれば、犬にとっても家族の愛情が一番の糧となるでしょう。
必要なケアを行いつつ、愛犬との生活がエンジョイ出来るようなプランを立てることは現実的に可能です。
老犬の介護に関する情報も今では大分得やすくなっていますので、迷った時にはインターネットや相談サービスなどを活用してみましょう。
飼い主や家族と触れ合えるような環境を作れば、認知症などのトラブルも防げる可能性が高くなります。
犬にとっても家族と過ごす時間は1つの刺激ですので、孤独にさせないということは老犬の健康を守る上でも非常に大切なのです。