老犬への流動食の与え方と注意すべき点は?

老犬の流動食

愛犬が年を取り、歯が抜けたり噛む力が弱くなってきたと感じたら、食事をそれまでのペットフードから流動食に切り替えてあげましょう。

犬の流動食とは病気の際に食べさせるものではなく、老犬でも食べやすく消化吸収のよいフードのことを言います。

老犬は体力・免疫力が落ちているため、若い時よりもカロリーと栄養素を摂ることが大切になってきます。

特にビタミンとタンパク質は健康で長生きするために重要な栄養素です。

よって、流動食はこれらの要素を満たし、かつ愛犬がしっかりと食べてくれる与え方を選ぶ必要があります。

流動食の種類は、犬の食べる力を見て選ぶ

まず流動食の種類は、犬の食べる力を見て選びます。

まだ噛んで食べられる時はドライフードならば水かぬるま湯でふやかして与えます。

それまで食べてきた好きな味のフードなら、愛犬も抵抗なく食べてくれるはずです。

また、ふやかした後にミキサーですりつぶしても食べやすくなります。

ただし熱湯はフードの栄養を損ねてしまうのでよくありません。

また、水分の量が多いと下痢をしてしまうことがあるので注意が必要です。

お皿を置く台を高くして頭が下がらないようにしてあげる

自分で立って歩くことのできるうちは、それまで通り犬用のお皿から食べさせても問題ないのですが、年を取って飲み込む力が弱くなっているかもしれません。

そこで、お皿を置く台を高くして頭が下がらないようにしてあげると飲み込みやすくなり、胃にしっかりとフードが送られます。

また、年を取ると前脚や首への負担も大きくなるので、その配慮のためにも食事の姿勢に気を遣ってあげましょう。

決して寝たまま流動食を与えてはいけない。

もう少し老化が進んだら、ペースト状かふやかしたフードよりペースト状に近い流動食を飼い主が食べさせてあげることが必要になります。

スプーンで口の中に入れて飲み込ませるか、シリンジで口の中に流し込むのが主な与え方です。

シリンジの代わりに、はちみつの空き容器を使っても与えやすくなります。

嫌がって口を開けてくれない犬も多いので、先の細い容器は口の中に入れやすいためです。

ただしシリンジなどはふやかしたフードだと先に詰まりやすいので、これらを使って与えるならば市販のペースト状の流動食を購入することがおすすめです。

この頃には自力で立てない老犬も多く、事故を防ぐためには食べさせる姿勢がより重要になります。

まず、決して寝たまま流動食を与えてはいけません。

愛犬を抱き起したり、頭を膝の上に乗せて口元の位置を高くします。

この時顎だけを上に向けないように注意しましょう。

顎を飼い主の腕に乗せると頭が安定します。

次に口の横から容器を差し入れ、様子をうかがいながら押し出します。

基本は一日に2回の食事で、食が細い時は3〜4回に分けて与えます。

流動食を与える際、必ず水も与えることが大切

流動食を飼い主から与えるなら忘れてはいけないのが水を与えることです。

水も自力で飲めなくなっていることが考えられるので、食事の途中か後にシリンジなどで口の中に流してあげます。

水を与えることは水分補給だけでなく、いくつかの大切な役割を持ちます。

まず1つ目に、流動食を胃に流し込むことです。

飲み込む力が弱くなっているので、流動食を与えても口の中に残っていたり、飲み込んでも食道に引っかかっていることがあります。

そこで食事中に時々水を与えて飲み込む負担を減らし、胃に送られるのを助けます。

次に、口の中を清潔に保つことです。

免疫力が低下している老犬は口の中の雑菌で歯周病になりやすく、また体の中に入ると病気を引き起こすこともあるため、忘れないようにしましょう。

食事の後に口の周りを拭いてあげたり、口の中をガーゼや歯ブラシで磨いてあげればより衛生的です。

自宅で、流動食を手作りしてみる。

流動食は自宅で手作りしたものを与えるのもよいでしょう。

むしろ愛犬の好きなものを入れて作ることができるので、市販の流動食よりも食べてくれるかもしれません。

タンパク質は植物性よりも動物性のものがおすすめです。

若い時よりもカロリーが必要なので出来れば脂身のある肉類がよいのですが、心臓疾患や肥満を抱えている老犬には脂肪分が控えめな鶏肉を与えると栄養価も高く、本来肉食な犬の嗜好とも合います。

ビタミンが豊富なのは緑黄色野菜です。

おすすめは免疫増強効果の高いにんじんやカボチャで、緑黄色野菜以外では様々な栄養素がバランスよく含まれているジャガイモも、老犬用の食事の材料としてとても優秀です。

流動食にするにはこれらの食材を柔らかくなるまで煮込むか、ミキサーで細かくします。

さらに出来上がったものに寒天やゼラチンを加えると、のど越しがよくなり飲み込みやすくなります。

吐いてしまったり、食べなくなる原因は?

老犬のお世話をする中で飼い主が心配になる愛犬の行動は、吐くことと食べないことではないでしょうか。

まず老犬は消化器官が弱っているので、消化のいい流動食を与えても吐いてしまうことはよくあります。

また、飲み込みが悪かった時や食べ過ぎでも吐きます。

大抵の場合は吐くことに問題は無いのですが、吐いたものの色がおかしかったり、何度も吐くようなら病院で診てもらうことをおすすめします。

また、吐くことで心配なのは脱水症状です。

ただでさえ水分を摂取する量が少なくなっているので、吐いた後の流動食は水分を多めに、そして温かいものにすると胃腸にも優しく、十分な水分を摂取させることができます。

老犬が食べない理由は、病気以外では単に老化で食欲が落ちていることと、代謝が落ちていることが考えられます。

動物は消費するカロリーが減ると自然に摂取カロリーを減らそうとするので、体重を測ってみて急激に落ちていなければ心配ありません。

少し散歩をすると食欲が戻ることもあります。

また、暑い時期にはバテて食欲が落ちていることも考えられます。

単に流動食を食べないだけならおやつを見せると食べたがることもありますが、他にも気になる症状があれば病気で食べられない状態である可能性もあります。

その時は早めに獣医さんに相談しましょう。

 

愛犬が年を取るごとに飼い主さんの心配事も増えていくことと思います。

ですが、長年一緒に暮らせばそんな時期は必ずやってきます。

あらかじめ愛犬の老化に備えて準備をすることで、飼い主さんと愛犬がどちらも穏やかな気持ちで日々を過ごすことができるはずです。