皆さんの愛するペットは今、何歳ですか?
近年犬や猫の寿命は、ドッグフードや医療の進歩によってかつての倍ほどに伸びています。
それによって生ずる問題が「老化」です。
長く生きるようになってしまったが故に、それまではなかった問題が出てきているのです。
目次
老犬を飼っている飼い主さんの悩み「排泄」トイレ問題とは?
老犬を飼っている多くの方が持っている悩みのひとつに「排泄」があります。
足腰が弱くなって、自力で歩くことも立ち上がることもできない子や、呆けが始まってトイレの場所を忘れてしまった子、または排泄している意識もないほどに呆けが進行してしまっている子の家庭ににありがちな問題です。
排泄がうまくできないと、不衛生でにおいも発生し、片づけの手間も増えるため、犬にとっても人にとっても良くない環境になってしまいます。
そのような、主に衛生面での問題を解決するために使われているのが「犬用オムツ」です。
元々犬用オムツは、たとえば病院や友人の家など、ちょっとしたお出かけの際に「オシッコなどをかけてしまわないように」念のためにつけておくものでした。
しかし犬の室内飼いが一般的になり、トイレも室内に設置する飼い主が増えてくるなど、室内で排泄をすることがペット界ではあたりまえになってきました。
そんな中、しつけがうまくいかず、トイレを覚えられない子が出てきて、最近では「一生オムツ」の子も出てきているようです。
この経緯からもわかるように、犬用オムツは人間用のそれとは違い、長時間つけているべきものではありません。
犬用オムツをつけて育った子は、おなか周りやお尻まわりの皮膚が赤く荒れていたり、周辺の被毛の色が変わってしまっていたりします。
それでも、その肌荒れや色素沈着が全身に広がるよりはマシ、ということで犬用のオムツの着用が奨励されています。
老犬に、オムツを履かせる必要はあるの?
老犬の排泄問題に犬用オムツが使われているのは、仕方なく、なのです。
ではどのような場面で、犬用オムツを付け始めるべきなのでしょうか。
足腰の弱くなって寝た切りになってしまった子を例に挙げます。
加齢による寝たきりになる原因は、関節の痛みなどもありますが、主に筋肉の減りです。
つまり寝たきりの状態が続くほど、悪化してしまうというわけです。
そういう子には、オムツを付けず、極力歩かせて排泄させてあげた方がいいでしょう。
バスタオルなどで股関節を持ち上げて、犬のペースに合わせて歩きます。
筋肉の減りが前足にまで来てしまっている子は、胸のあたりにもバスタオルを添えてあげましょう。
吠えたり、床を叩くなどのトイレのサインをしてくれる子もいますが、多くの子は何も言わずガマンしています。
飼い主さんがこまめに様子を見てあげることが大切です。
トイレに付いたら、ワンちゃんが排泄のポーズをとってくれるはずです。
飼い主さんはそのポーズがふらついたりこけたりしないように支えてあげてください。
うまくできたらご褒美をあげてくださいね。
触られながらの排泄は、ワンちゃんも慣れていないと思いますから。
老犬になると、呆けからトイレの場所を間違えたり、お漏らしをしてしまう
一方で、身体は健康で自分で歩けるのに、呆けなどからトイレの場所がわからなかったり、排泄の意識がなく垂れ流している子には、オムツをつけてあげるべきでしょう。
トイレのタイミングが掴みづらいためです。
けれど長時間つけっぱなしにしていることはオススメしません。
これも飼い主さんがこまめに様子をみてあげることが大切です。
特に今までオムツを付けたことのない子は、違和感を感じてオムツを取ってしまうことがあります。
気が付いたらきちんと付け直してあげましょう。
老犬になると、トイレの回数が増える
老いてくると、膀胱の筋肉も衰え、一回の量が少なくトイレの回数が増えます。
もったいないかもしれませんが、理想はちょっとでも汚れていたら取り換えてあげることです。
その際、濡れたタオルで汚れたところを優しく拭いてあげるようにしましょう。
衛生的に保つことで皮膚病のリスクを下げられます。
普段から気を付けておくことは、飼っている子のトイレのタイミングを覚えておくこと、肛門周りやオシッコのつきそうなところの毛は極力短くしておくこと、いつも寝ているところにはシーツを数枚重ねて敷いておくことなどがあります。
最期まで快適に過ごしてもらうために、飼い主さんとワンちゃんとの二人三脚が必要です。
老いに備えることが大切
今はまだうちの子は若いから大丈夫、という方も、こうならないために今から備える必要があります。
たとえば、お散歩の距離や時間を延ばすことで筋力アップにつながりますし、芸を覚えさせることで呆けの防止にもなります。
100%の対策にはなりませんが、何もしないよりイイですよね。
これからも日本には老犬が増えてくるでしょう。
お互いに相談しあい、介護疲れを防ぐために、ペット友達を持つのもいいかもしれませんね。