犬を飼っていると、ふと心配になることがあります。この子といったいいつまで一緒にいることができるのだろう?
子犬のときは元気に走り回るのがただただ可愛くて仕方ありません。
一緒に散歩したり遊んだり、楽しく暮らしている間にお互い歳をとりますが、犬は人間以上に早く老いていきます。
目の周りに白い毛が増えてきたのは白髪?ちょっと食が細くなった?
などなど、生まれてから10年もすると自分の歳を通り越してどんどん老いていくのわかります。
犬種にもよりますが、小型犬と中型犬は成犬になるのは生まれて1年半で、大型犬は2年を過ぎた頃に成犬になります。
大型犬は3〜4年は成長がゆっくりですが、5年たつと小型犬や中型犬に比べて早く歳を取ります。
生まれてから10年で小型犬は56歳、中型犬は63歳、大型犬は75歳となり、シニアの年代に入っています。
老犬と言えるのは、小型犬は14年、中型犬は12年、大型犬は9年といわれているように、大きさによって愛犬がどの年代にいるのかを把握する必要があります。
老犬になってからの散歩はどうするべきなのでしょうか。
散歩に出かけていつも通りに歩いているのに、道路の端を歩いていて溝に足を取られたり、何かにぶつかったりすることがあります。
最初はどうしたの?と笑って済ませることもありますが、その回数がどんどん増えていくと何かおかしいと気が付くのです。
犬も歳を取ってくると、視力が衰え耳も聞こえにくくなります。
声をかけているのに全然こっちを向かない、真っ直ぐ歩いていないなどの兆候が現れてくると不具合がある証拠です。
目は白内障になることも多く、眼球が白く濁っている場合にはすぐに獣医師に見せた方がよいでしょう。
ストレスが老化を早める
散歩は、老犬にとっても歩けるうちは必要です。
1日中家の中にだけいると、どうしてもストレスが溜まってよけいに老化が早くなります。
外の世界での様々な刺激を感じて、犬の狩猟本能である鼻でにおいをかぐ習性を働かせてあげることで、精神的にもバランスを保持できるのです。
人間と同様に朝の光でセロトニンが分泌され幸せな気分になれます。
これは寝たきりを防ぐためにも必要です。散歩に行きたがらない老犬は、小さい頃から散歩が嫌いな犬以外は、身体にどこか不具合があるというサインを出しているのです。
それは足腰の衰えや内臓疾患かもしれません。
足腰が衰えてきた老犬の散歩は、ゆっくりと短い距離にします。
途中で休憩を入れるのもよいでしょう。飼い主はせかしたりせずにゆったりと待ってあげましょう。
散歩に出かける前に脚や腰をマッサージしてあげると、こわばっている筋肉がほぐされて歩きやすくなります。
季節・天気によって、散歩の時間帯を変えよう
人間と同じように季節や天気によって散歩する時間を変えてあげましょう。
もちろん暑い夏の日中に散歩に行くことはありませんが、夕方でも思いのほかアスファルト舗装は温度が高くなっています。
できるだけ柔らかい草や土の道を散歩するのが理想的です。
十分な水分の補給も考えて出かけることが必要です。
途中で座り込んでしまったり、息が荒くなったりした場合はできるだけ早く連れて帰って獣医に診てもらった方が安心です。
介護用品を利用して、老犬をサポートしよう
どうしても脚を引きずったりするなら、歩行補助ハーネスの使用を考えてみましょう。
胴体全体を覆うものや前足、後ろ足どちらかをサポートするものがあるので、どこをサポートすればよいかを考えて選びます。
ハーネスは散歩だけでなく、トイレに行かせるときや寝たきりになって床ずれを防ぐために体勢を変えるのにも役立ちます。
老犬をカートに乗せて散歩するのは、どうしても自力で歩けなくなったときに限ります。
犬の気分転換にはなりますが、乗ることに慣れてしまうとよけいに足腰は弱ります。
寝たきりになってしまったけれど外の空気を吸わせてあげたいというのなら、カートの散歩でも犬にとって大きな喜びになるでしょう。
老犬の散歩は無理強いせずにゆっくりと満足する程度に歩かせます。
10分ほどの散歩でも、愛犬の脚力と精神的安定を支えるものになります。
この先どのくらい一緒に歩けるのかと、よぎる不安は置いて、一日でも長く愛犬との散歩を楽しみたいものです。