人間と同じく、犬も高齢化の時代を迎えています。
シニア期に入った愛犬と健やかに暮らしていくには、飼い主がこまめに愛犬の状態をチェックし、適切なケアをしていく必要があります。
老犬のサインは?
一般的に小型犬、中型犬は7〜8歳、大型犬は5〜6歳でシニア期に入ります。
愛犬の老化は寂しいことですが、同時に共に長い時間を過ごしてきた証でもあります。
少しでも長く健やかに暮らすためにも、老化のサインは見逃さないようにしましょう。
年を取ってくると、犬は寝ている時間が長くなります。
場合には周囲に興味を示すことなく一日中寝ている、というケースも。起こしてもなかなか反応しないことも増えてくるでしょう。
興味が薄れる
いたずらっ子でいろんなものに興味津々だった犬も、年を重ねればだんだん意欲を失っていきます。
来客があっても興味を示さず反応しなくなったら、それは老化のサインかもしれません。
また年を取れば当然疲れやすくなるため、散歩や遊びが続かなくなることも多くなります。
だからといってそのままにしておくとますます無気力になってしまうので、短時間でもいいので散歩に行く、犬友達に会わせるなどして上手に刺激を与えてあげるようにしましょう。
食べるものに関しても、年を取るにつれ変化が訪れます。
食べ物の趣味が変わるのは人間であってもよくある変化です。食べる量や食べ方についてよく観察して、場合によっては食事内容を切り替えてあげましょう。
トイレに変化が表れる
トイレに関しても変化が出てきます。
年を取ってくると内臓やそれを支える筋肉が衰えてきます。尿意や便意を伝える神経も若い頃のようには働きません。
トイレを我慢しづらくなった、逆にトイレの回数が減ってきた、という場合でも、愛犬のペースに合わせて対応してあげることが大切です。
歩き方に変化が表れる
散歩などにでかけたとき、愛犬の歩き方に注目してみてください。
年を取ると足腰が弱ってくるので、歩き方に覇気がなくなってきたり、歩くスピードが遅くなったり、今までは問題のなかったちょとした段差で躓いたりします。
オスの場合、おしっこのときに足を上げ辛そうにすることもあります。
とはいえ、動くのが辛そうだからと散歩に連れて行かないと、余計に動けなくなってしまいます。筋肉や関節を健康に保つためにも、無理のない範囲で散歩に連れて行くようにしましょう。
老犬になると病気にかかりやすくなる
年を取ると病気にかかりやすくなるのは、やはり犬も同じです。
愛犬の健康を守るためには、定期的に健康診断を受けることはもちろん、愛犬の行動を飼い主がしっかりと見て、早期に病気に気づく必要があります。
また、老犬がかかりやすい病気について事前に知っておくことも有効です。
老犬で非常に多い病気が肥満です。
体に脂肪が付きすぎる状態で、様々な病気の引き金にもなります。年を取って肥満になるのは、若い頃なら消費できていたカロリーが、代謝の低下によって消費できなくなったからです。
最大の予防策は飼い主による食事のコントロール。上手に管理してあげることが重要です。
また犬種ごとの理想的な体型、体重について知っておくことも重要になります。くびれのない状態は太りすぎなので気を付けましょう。
肥満が原因で起こる病気は様々ですが、その一つが椎間板ヘルニアです。
背骨と背骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板という組織が変形してしまう病気で、肥満や老化の他に、事故や外傷でも起こることがあります。
椎間板ヘルニアになると、歩き方がおかしくなります。
運動を嫌がるようになり、すぐに立ち上がれなくなることも。
愛犬の動きを観察し、いつもと違っていたらすぐ動物病院を受診しましょう。
老犬も認知症になる
犬も人間と同じように認知症になります。
認知症はシニア期を少し過ぎた頃から増えてくる病気で、ストレスが多いと進行が早くなると言われています。
犬は認知症になると、グルグル同じところを回ったり、ふらふら歩きまわるようになります。
生活が昼夜逆転になったり、夜鳴きやトイレの失敗が多くなることも。
また性格も変わることがあり、極端に甘えたになったり、逆に急に攻撃的になることもあります。
老化のサイン、病気の兆候に気付くには、普段から愛犬の様子に気を配る必要があります。
そうすれば普段と違うところがあったとき、すぐに気付くことができるからです。
何かあったときすぐ対処できるようにしておくことも、今まで以上に重要になります。