犬だって寒い、老犬の真冬対策

老犬の真冬対策 老犬の健康

老犬ともなると、真冬の寒さに耐えるための体力も、当然ながら衰えてきます。

そこで、寒さ対策がどうしても必要になります。

寒さ対策には、保温と加温がある。

その方法は、基本的に2種類あり、保温と加温とになります。

保温は、犬自身の体温が冷たい空気に晒されて低下することのないよう服を着せたり保温マットを敷いたりすることを指し、加温は、暖房器具を用いて空気を温めたり犬の身体を温めたりすることを指します。

具体的な保温の方法としては、ケンネル(室内用犬小屋)によって空気の対流を制限して温かい空気が家の天井付近まで上昇しないようにする方法、そして、犬用ブランケットや犬用ベッドによって床の冷たさを遮断する方法、さらに、ドッグウェアを着せて冷たい空気を遮断する方法、以上の3種類があります。

具体的な加温の方法としては、人間用のエアコンやストーブやホットカーペットなどの暖房器具を人間と共用する方法、犬専用のペット用ヒーターや湯たんぽを利用する方法、この2種類があります。

 

保温であれ加温であれ、それぞれ注意すべきことがあり、相手が老犬である場合、特別な注意が必要になることもあります。

ケンネルを使わずケージを使っている場合、ケージ全体を毛布などで覆って、温かい空気が部屋の天井側に行き、冷たい空気が部屋の床側に行くことを抑制する必要があります。

ケージは、恐らく部屋の壁側にあるでしょうが、その位置は、窓から隙間風の入りやすい場所であり、天井から床に向かって冷たい空気が対流によって壁沿いに降りて来る場所ですから、空気の流れを遮断する必要があるのです。

そのためには、ケンネルを使用するか、ケージ全体に毛布などを掛ける必要があるわけです。

毛布でなく、ビニールシートや段ボールでも機能に大差はありません。

ドッグウェアは、常時着せるのではなく、寒い時だけ着せよう

犬用ブランケットを用いる場合、念のために厚みなどを確認します。

冬の床は相当冷たいですから、充分な断熱と保温の効果がないと、役に立ちません。

犬用ベッドなら、多分対策が施されているでしょうが、真冬にも使えるものかを念のために確認します。

ドッグウェアは、常時着せるのではなく、寒くなる時に着せるようにします。

エアコンやストーブで充分に室温が高いのに、着せっぱなしにしておくことは、老犬の健康をむしろ害する恐れがあります。

屋外の散歩の時に着せるとか、暖房器具を切っている時に着せるとか、着せる必要のある時だけ着せるようにします。

老犬だと、温度感覚が多少鈍っているので注意が必要

エアコンやストーブなど、かなり強力に室温を上昇させる暖房器具を用いる時は、それは人間用に温度設定されているはずですが、その設定が老犬にも適しているかどうかは、要注意事項になります。

特にストーブとなると、犬が人間よりもストーブに近い位置に陣取って、その場を占拠してしまうことがありますが、老犬ともなると温度感覚も多少鈍っているため、火傷や熱中症などになる危険性が高まります。

 

犬は、本来ならば寒さに強いはずですが、シングルコートの犬種など犬種によっては弱いものもあり、小型犬なら寒さに弱い可能性が高まります。

さらに加齢によって体力が衰えているとなると、ますます寒さ対策は重要です。

老齢によって、体温調節機能が衰えていることも充分に考えられます。

さらに、代謝機能や循環器機能などの衰えもあるはずで、気温の低下は体温の低下につながりやすく、さらに深刻な病気の発症にもつながりやすくなります。

寒さ対策は、これらの心配を全て含んだ上での基本対策なので、基本をしっかりと踏まえておくことが大事です。

急激な温度変化には充分に配慮しよう

冬の寒さは、日によって大きく違います。

また、時間帯によっても大きく違います。ここで大事なことは、最も気温(あるいは室温)が下がった状態では、摂氏何度まで下がるのかを知ることです。

平均気温で対策を練ることは、大きな間違いです。

予想される最低気温に対して、充分な対策を練らねばならないのです。

このことは、うっかりして気付きにくいことですが、最重要事項と言っても過言ではありません。

予想される最悪の状態を考えに入れた対策こそが、抜かりのない本当の対策です。

また、急激な温度変化に対しても、充分な配慮が必要で、屋外と屋内とを行き来する散歩時の急激な温度変化、そして、暖房を切ってからの急激な温度変化、これら温度変化の急変にも注意します。