犬を飼う飼い主さんであれば、愛犬がいつまでも健康でいてほしいと思いますよね。
そして、愛犬が健康でいるためには飼い主さんが愛犬の変わった行動にいち早く気づいてあげることが必要です。
今回はそういった変わった行動の中でも、陰部をしきりに舐める行為についてみていきます。
いったい陰部をなめる行為からはどのような病気がわかるのでしょうか。
また、どうやって対処すればいいのでしょうか。
オスの場合に考えられる原因
オスの場合、陰部をなめるという行為は少なからず行います。
これは、陰茎が勃起しているときによくみられる行為で、生理的な理由があるので特に問題はありません。
しかし、なかなか舐めるのをやめなかったり、かなり頻繁になめたりしている場合は病気や体調不良のサインかもしれません。
まず、最初に考えられるのは泌尿器系の病気です。
具体的に言うと、膀胱炎や尿道結石といったものが挙げられます。
次に考えられるのは、生殖器の病気です。
包皮炎が原因となって陰部で炎症が起きている可能性があります。
もしも、愛犬が陰部をなめるようであれば、陰部の様子をチェックしてみてください。
最後に考えられるのは、精神的な病気です。
分離不安やストレスといったことが原因となって陰部をなめる犬もいます。
ストレスの原因は様々ですが、多くの場合は室内やケージにいる時間が長かったり、散歩の量が少なかったりすることが原因と考えられます。
思い当たることがあれば改善してあげるといいでしょう。
メスの場合に考えられる原因
もしも愛犬がメスであれば、陰部をなめる原因がオスとは異なってくる場合があります。
しかし、泌尿器系の病気と精神的な病気に関してはオスと同じです。
ですが、生殖器系の原因はオスとは異なります。
メスの場合は、卵巣疾患や子宮蓄膿症といった病気が原因になっていることが多いです。
そして、この場合は膣が腫れていることが多いです。
もしも、メスの愛犬が陰部をなめるようであれば、そういった病気の疑いがあります。
また、単純に膣炎を起こしている場合もあります。
オスとは異なって子宮や膣は体内にあるため、異常があるかどうかを素人が見て判断することは非常に難しいです。
そのため、すぐに病院へ連れていくことをお勧めします。
病気への対処法を知ろう
ここまでで、オスとメス別に陰部をしきりに舐める原因と考えられる病気を見ていきました。
しかし、原因と考えられる病気を知っていたとしても、対処法を知らなければ愛犬を助けてあげることはできません。
そのため、対処法を知ることは非常に大事です。
まず、生理的な問題からです。
この場合は特に何もしなくても構いません。
しかし、メスの場合は子宮の病気を抱えている可能性があります。
そのため、2週間以上陰部をなめる行動が目立つ場合や、出血がみられるようであれば病院へ連れて行ってあげてください。
次に、病気が原因となっているものの対処法です。
これは、すぐに病院へ連れていくことが難しい場合、エリザベスカラーを装着させてください。
そうすることで不用意に陰部をなめさせなくすることができ、症状の悪化を防げます。
しかし、最終的には病院へ連れて行ってあげなければいけないという事は頭に入れておいてください。
そして、泌尿器系の問題の対処法です。
これは、とりあえず飲ませる水の量を増やしてあげて様子を見てください。
それでも改善されない場合は薬を使用して治すしかありません。
また、ドッグフードの種類を泌尿器用のものに変更することで改善されるというケースもあります。
泌尿器系の場合は、摂取させるものに注意を払うことが重要です。
ストレスを解消することも大切
ストレスは愛犬が陰部をなめる原因の中でも飼い主の意識を変えることで改善できるものになります。
具体的には、散歩を普段より長く連れて行ってあげたり、家にいるときはなるべくハウスやケージから出してあげたりといったことです。
確かに愛犬に少しは我慢させるのも必要ですが、必要以上に我慢させるのはストレスになってしまいます。
ストレスから陰部をなめる行為が続いてしまっている場合、本来身体的には問題がなかったとしてもなめ続けて荒れてしまった皮膚から細菌が進入する可能性もあります。
愛犬ができるだけ病気にならないようにするためにも、愛犬のストレスは解消してあげてください。
まとめ。わずかなサインも見落とさないで
愛犬は日常の中で様々な行動をします。
陰部をなめる行為の原因についてみていきましたが、実はほかにもまだまだ愛犬のSOSサインはあります。
それらのサインを飼い主さんが見落とさないようにしなければなりません。
愛犬の行為一つ一つに意味があるという事はぜひ知っておいてください。
言葉は通じなくても、行動で愛犬は飼い主さんに何かをアピールしてきます。
飼い主さんはそういった愛犬のサインについて日ごろから勉強していくといいですね。